高校生2人が地元の池で水死(前) 1人が深みにはまり助けようとした友人も…危険な池、地元の人は「もう何人も亡くなっている」 静岡・沼津市

静岡県内では水辺の事故が増えています。7月28日から3日までの1週間に県内で7件の水難事故が発生。死者5人を出す状況に、今週5日、県は「水難事故多発警報」を発令しました。
伊地健治アナウンサー:「地元の高校生2人が亡くなった門池に来ています。この近くには大きな花や飲み物が手向けられています。亡くなった高校生の友人によるものでしょうか、メッセージの書かれた写真が添えられています。助けられなくてごめんね、そう書いてあります」
事故のあった場所は、どういった場所だったのでしょうか。沼津市岡一色にある門池。上空からこの場所を見てみると、その大きさに驚かされます。隣接する公園を含めると東京ドームのおよそ1.5倍、水深は一番深いところで5mとも言われています。江戸時代から、農業用のため池としてつかわれてきました。池の近くにはベンチも設置され、多くの市民の憩いの場として親しまれています。
助けようとした友人も水の中に…
事故は2日、この池で行われた「ボート」イベントが終わったあとに起きました。
板垣亮記者:「男性は池のこちらで水遊びをしていたとみられています。1人が溺れ、それを助けようとしたもう1人が引きずり込まれたということです」
溺れたのは市内に住む15歳の男子高校生2人。心肺停止の状態で池から引き上げられ、病院に搬送されましたが、その後、死亡が確認されました。2人は同じボート部に所属していて、この日行われていたボートイベントにスタッフとして参加していました。

10年ほど前から毎年行われてきたボートのイベント。主催者が事故の状況を教えてくれました。
イベント主催者:「大会終わっちゃった後だから、自分の片付けをやってたんですけど。1人が深みにはまった。それをもう一人が助けようと思って、多分多分引きずり込まれたでしょう。残った5人のうちの誰かが、私にそんなような説明をしました」
午後3時にイベントが終了すると池のほとりには高校生7人が残っていました。池に入って遊んでいるうちに一人が深みにはまり、助けようと、手を差し伸べた高校生も引きずり込まれた形で一緒に溺れてしまったといいます。
「男の子2人が水に落ちて見えなくなった」。消防に通報があったのは午後5時半ごろでした。
イベント主催者:「(イベントでは)一般市民も本人たちも全員ライフジャケットは間違いなくライフジャケットを着けてやっていたんです。3時半で終わって自分は主催者としてライフジャケットと他の資材は全部もう撤収しちゃった。最初にズボッといった子は泳げるかどうか知らないけど、手を差し伸べた子は泳げないっていうことを私は聞いてました」

実はこの門池、ため池でありながら特徴的な使われ方をしています。
伊地アナ:「事故現場付近を見ますと桟橋がありボートが置いてある。こういうところが一つ二つ三つとある。比較的に四角いボート、競技用というよりは子どもたちが乗ってオールの使い方を練習するためのボート。普段から常設されている。さっき見つけたんですけど、池のほとりに競技用のボートも置いてある。つまり、中で泳ぐわけではないけど、普段からライフジャケットをつけてボートに乗って水に親しむということは行われていたようです」

地元の人「近所の人は危ないとみんな知ってます」
沼津市は事故を受け、看板を設置。、各学校にも注意喚起を促す文章を送りました。取材中、何人も手を合わせる姿を目撃しました。
近隣住民70代:「孫がちょうど亡くなった方と同じぐらいの子がいる。余計悲しいですね。何年かに一回水を抜くことがある。形状がわかるんですよ。結構深いのがわかりますよ。30年40年前にはここで水遊びをする形はあったけど、それで事故があったことがある。だから地元の人でここで泳ぐなんてことは絶対にありませんよ。ボートに乗る時もライフジャケット着てると思いますよ」
70代男性:「厳重に「入ったらダメよ」と言わないと、ライフジャケットを着けてる着けてないは別として、もう何十人と子どもが亡くなっているんですよね、この池は。昔からそういうところ。近所の人は危ないところと、みんな知ってます」
