高齢者狙い「逮捕状」郵送…ニセモノでも名前や生年月日は正確 おびえる被害者にトドメの電話 その悪辣な手口とは
電話の着信
「プルルルルル×2」
はじまりは、一本の電話からでした。
80代の男性:「もしもし?」
電話を受けたのは、静岡県磐田市に住む80代の男性。相手は“警察官”を名乗る男で、受話器から聞こえてきたのは、耳を疑う言葉でした。
警察官を名乗る男:「暴力団が関係する組織犯罪の捜査であなたを関係者と認定しました。捜査に協力しなければ逮捕します」
男性にとっては、全く身に覚えのない話。それから数日すると、自宅の郵便受けに、1通のレターパックが…。中に入っていた紙には、信じがたい文字が並んでいました。
逮捕状/組織犯罪処罰法違反及び犯罪収益移転防止法違反
男性の名前や生年月日までもが正確に記されていた逮捕状。実は偽物。しかし本物だと信じ込んだ男性は…。
男性:「このままじゃ本当に逮捕されちゃう…」
恐怖におびえるさなか、再び電話が…。
警察官を名乗る男:「あなたの口座にある現金と、犯罪で使われた現金の紙幣番号を照合します。650万円を準備するように。現金は捜査官が取りに行きます」
男性は、男の指示に従い金融機関へ。毎日、現金を下ろし、13日後には指示された650万円が手元に。
警察官を名乗る男:「現金は封筒に入れ、玄関の門柱の上に置くように。捜査官が確認に向かいます」
指示通り、玄関先に現金が入った封筒を置くと…。いつの間にか、跡形も無く消え去っていました。男性が詐欺だと気づいたのは、その後のこと。警察のホームページで、同じ手口の事例を見つけたのです。
警察によりますと、こうした「ニセ逮捕状」を郵送する手口は、SNSを使わない高齢者を狙った「新たな手法」として県内でも急増しているということです。この事例を含む県内の特殊詐欺被害は今年に入って11億円に上り、去年を大幅に上回るペースで推移しています。
県警本部生活安全企画課 榑林孝之警部:「偽警察詐欺は高齢者だけでなく、現役世代、若い世代の方も被害に遭っている。自宅に逮捕状が届いたとしても、それは警察からのものではなく、特殊詐欺のグループからのものなので、気を付けてください」