3歳女児送迎バス置き去り死から4年 父親が語る消えない後悔と怒り「やっぱり憎い」 元園長は出所後も連絡なし 理事長らは仏前に手を合わせる約束果たさず 静岡・牧之原市

 静岡県牧之原市の女児置き去り死亡事件からあすで4年。

 遺族の深く刻まれた傷はあの日から癒えることはありません。

●河本千奈ちゃん 父親:
「千奈が生まれてきたのは社会の教訓になるためじゃない。ただ生きていてほしかった。娘を殺された側からすれば、やっぱり憎いですし、あんな園はなくなってしまえって思う」

両親提供
両親提供

2022年9月5日、牧之原市の認定こども園・川崎幼稚園の送迎バスに、当時3歳の河本千奈(かわもと・ちな)ちゃんが、およそ5時間にわたって置き去りにされ、重度の熱中症で死亡しました。

 当時3歳の尊い命が奪われた事件からあすで4年。一緒に過ごした時間よりも、別れてからの時間の方が長くなろうとする中、この事件を風化させたくないという思いから、遺族が会見を開き胸の内を明かしました。

●河本千奈ちゃん 父親:
「変わらないのは千奈への申し訳なさというか、助けてあげられなかったこととか、私たちがあの園を選んでしまったこと、そういったことは今もずっと後悔しています。ありとあらゆる知恵を振り絞って服を脱いだり、麦茶を飲み干したりとか、そういったことを一生懸命やったんだなって思うと。何かこう、胸に突き刺さるものがありますね。今でも。」

 当時、産まれたばかりだった妹は4歳に。千奈ちゃんの生きた年数を超えました。笑い方や仕草が千奈ちゃんにそっくりで、姿が重なるといいます。

 事件後、一家は県外に引っ越しています。その際に理事長や、担任などと交わした「年に一度、仏前に手を合わせる」という約束が果たされることは一度もありませんでした。

 当日バスを運転していた元園長(77)は、業務上過失致死罪で禁錮1年4カ月の実刑判決を受け、刑期を終えて出所していますが、いまだ連絡もありません。

会見を開いた千奈ちゃんの父親
会見を開いた千奈ちゃんの父親

 この事件を受け、国は2023年4月から保育施設などで使う送迎バスへの安全装置の設置を義務化。県によりますと県内では設置率が100%に達しています。しかし、去年9月 岐阜県大垣市の認定こども園で、2歳の女の子が通園バスの車内に約1時間置き去りにされる事故が発生。幸い女の子は無事でしたが、運転手がアラームを手動で解除し、安全確認の工程を省略したことが原因とされています。

●河本千奈ちゃん 父親:
「設備とか機械を付けてハード面を良くしても、使う人のソフト面の仕組みとかルールを守るということを怠ると同じことが起こるので、本質的な改善とかにはなってないと思います」

 幼く尊い命が奪われてから4年。

 園側は「二度とこのような事故を起こすことのないよう、複数の専門家から定期的な指導を受け、外部の有識者を交えた安全管理委員会において、日々の運用の点検を重ねております。ご遺族への償いは、今後も変わることなく続けて参ります。この事故を風化させないことは当園の責務であり、その決意を新たにしております。安全を何よりも優先する園であり続けるため、安全管理を更に徹底して参る所存です。」と、コメントしています。

園の送迎バス(2022年9月)
園の送迎バス(2022年9月)