県庁に“お茶振興課” 静岡茶復活へ…世界ブランド化の最前線を追った 佐藤可士和氏と挑む『JAPAN TEA SHIZUOKA』
県庁9階“お茶専門部署” 全国でも珍しいお茶振興課
世界に向けて静岡茶の価値を再定義し、日本発のグローバルブランドを目指す「静岡茶ブランディングプロジェクト」。中心となっているのは、県の「お茶振興課」です。
川﨑豊記者「県庁に来ました。あちらがお茶振興課です。あ、看板ありましたね。よろしくお願いします」
静岡県お茶振興課 西川博課長「お茶振興課長の西川です。よろしくお願い致します」
ここは県庁東館の9階にあるお茶振興課。全国的にも珍しい、お茶そのものが課の名前になっている部署です。課長の西川さんはお茶に関わって30年のベテラン。10人ほどの職員が詰めています。職員の手元には…。
課員「お茶を毎日急須で入れて飲んでいます」
「次は藤井くんで、この静岡ブランディングプロジェクトの担当をしています」
世界へ打って出る『JAPAN TEA SHIZUOKA』構想
菊川市にある茶業研究センターで6年間お茶の研究もしていた藤井さんが担当しているのは…。
総合プロデューサー 佐藤可士和さん「JAPAN TEA SHIZUOKAというネーミングで、世界に出ていこうと思います」
クリエイティブディレクターの佐藤可士和さんが総合プロデューサーを務める「静岡茶ブランディングプロジェクト」。今年4月には静岡茶の統一ブランド「JAPAN TEA SHIZUOKA」を発表しました。
担い手減少…静岡茶が直面する危機感
この「静岡茶ブランディングプロジェクト」の中核を担うのがお茶振興課です。
静岡県お茶振興課 西川博課長:「担い手の数が減り、茶園面積が減り、荒茶生産量が減ってきたと。我々としては、静岡茶の威光をかけて新しく取り組んだ、そのブランド化の事業ということになります」
抹茶需要に商機 現場で進む新たな挑戦
この日、藤井さんの姿は牧之原市の工場に。お茶の生産農家で、加工も手掛ける太田さんです。
八太田 太田宜孝さん「以前は煎茶の工場だったんですけど、今度碾茶(てんちゃ)を作る工場に今改装してる途中です」
煎茶工場を買い取り、抹茶の原料となる碾茶加工の工場にする予定です。去年新しくできた国の補助事業を活用していて、県は事業計画の作成などに携わってきました。
太田宜孝さん「9月の30までには入る予定です」
機械がそろうと1時間に1000キロの茶葉を加工できるようになります。
太田宜孝さん「自分だけじゃなくて、一緒にこれからやってくれる地域の仲間と継続可能な作業ができればいいなと思ってます」
西谷祥治さん。太田さんが話す「地域の仲間」のひとり。代々代表的な品種「やぶきた」を作ってきましたが…。
「こちらになります。伐根したり、土起こしながら、ここもやぶきただったんですけど、ここからまた新しい品種に植え替えていきます」
今回、太田さんの工場ができるのを機に、新しい品種を育て始める準備を進めています。
西谷製茶 西谷祥治さん「生葉だけここで作った分を、彼のところに持って行こうかなっていう気持ちです。彼が始めるんであれば、後輩にあたるんで彼が、自分で協力できることって言えばこれぐらいかなと思って」
Q.可士和さんとの打ち合わせというのは、ちょっと緊張したりします?
A.「緊張…そうですね」
担当の藤井さん 東京で佐藤可士和さんと打ち合わせ
ブランディングプロジェクト担当の藤井さん、この日は東京で総合プロデューサーの佐藤可士和さんと打ち合わせです。
佐藤可士和さん「よろしくお願いします」
打ち合わせの内容はプロジェクトのホームページについて。
佐藤可士和さん「じゃあ、ちょっとWEBを巻きでやりましょう」
佐藤さん「でもいいんじゃない」
女性「これぐらいの」
佐藤さん「大人が読むし、例えば海外の人たちが英訳されたものを読むということをイメージした方がいいと思っていて」
表に出せない内容もあるということで、カメラの同席はここまで。
母親が静岡県出身の佐藤さん。静岡茶には世界に通用する可能性を感じています。
佐藤可士和さん:「まだまだ知られていない、全然知られていないんじゃないかなと思うんです」
Q.そこにデザインはやはり力を与えられる?
A.「そうですね。ものすごく重要です。例えば、JAPAN TEA SHIZUOKAというネーミングにしようという、それも非常に重要なブランドのデザインの一つです。世界に知らせていくことで、良さを知っていただくということが静岡のためにもなるし、日本という国のためにもなるんだと思っています」
牧之原の工場にてん茶ライン完成
9月下旬。牧之原市の工場を訪ねてみると…。
Q.見えてきたのが新しい工場の機械?
八太田 太田宜孝さん「そうなります」
真新しい機械が組み立てられていました。7月に空だった牧之原の工場には、碾茶を作るラインが完成。県下最大級の工場となる見込みです。
太田宜孝さん「うちの今の組合員さんだけじゃなくて、地域の葉っぱも受けられるようになればいいなと思って、この規模にしました」
この3カ月でお茶を巡る環境には変化も出てきました。
静岡県お茶振興課 藤井拓主任「これは『しずかおり』っていう品種のお茶です。静岡の本山のお茶です」
お茶振興課を訪ねると…。
静岡県お茶振興課 池田紀美子課長代理:「やったぜ!って感じでした(笑)」
今年は一番茶生産量で2年ぶりに首位を奪還。
静岡県お茶振興課 池田課長代理:「チャレンジしたり、変わるってできるんだなというのをすごく感じてます」
ブランディングプロジェクトは。
静岡県お茶振興課 藤井拓主任:「海外のPRっていうものを本格的に進めていくタイミングになりますので、オリジナルの商品とか、そういう展開も進めていきたいなと」
今後はこのマークが、より身近に見ることが増えそうです。
静岡県お茶振興課 西川博課長:「商標権の申請をしていますので、数カ月後にお茶の販売店であるとか、レストランであるとか、このマークを冠した商品もしくはサービスが広く提供されることを目指して体制整備を進めてまいりたいと思っています」