「レベルが低い」「実態とかけ離れている」…浜岡原発の運転停止訴訟で原告が控訴 静岡地裁は訴えを「却下」
市民有志が浜岡原子力発電所の運転停止を求めた裁判で、原告側は訴えを却下した静岡地裁の一審判決を不服として、東京高裁に控訴しました。原告側は「裁判所が事実を見ていない」と批判し、原発の危険性について高裁で実質的な審理を求めています。
東日本大震災が起きた2011年から、市民らが中部電力に対し、浜岡原発の運転停止を求めていた裁判。10月27日、静岡地裁は「浜岡原発の再稼働の見込みがないため、具体的な危険性がなく、運転を差し止める利益がない」として、原告側の訴えを却下する判決を下しました。判決では、中部電力のデータ不正を批判した一方、原発の安全性については判断を示しませんでした。
これに対し原告側は5日、静岡地裁に控訴状を提出しました。弁護団は静岡地裁が再稼働審査の進捗状況を重視したことについても問題視。中部電力はこれまでの裁判で審査は順調に進んでいると説明していました。
しかし静岡地裁は「行政指導を受ける段階にとどまっていたに等しい」と認定し、再稼働の見通しが立たず紛争が成熟していないと判断。弁護団は審査が進んでいた実態を裁判所が誤って認定したと主張しています。
弁護団 青山雅幸弁護士:「1番重要な判断基準について、職権で(裁判所が)勝手に調べて、勝手に勘違いして、それを判断理由として、これは判決の体をなしていない。合議体が出す結論とは到底思えないレベルの低い判断理由。もう実態とかけ離れたような認定をしてるわけですね」
また弁護団は中部電力が再稼働を諦めておらず、信頼回復を最優先にするとしていることから、再稼働の可能性は残っていると指摘。原発は運転していなくても使用済みではない核燃料が保管され、冷却を続けなければ重大な事故につながる恐れがあるとして、存在するだけで危険だと主張しています。
弁護団 鈴木敏弘共同代表:「私たちの人権、生命、身体と人権を守る最後の砦っていうのが、裁判官、司法だと思ってますので、その司法の役割をしっかりと果たしてもらいたいんだということを、ますます強く思ったという次第です」
原告側は控訴審での審理を通じて、浜岡原発の安全性について司法の判断を求めていく考えです。