【リニア新幹線】動き始めた田代ダム案について静岡市難波市長は

リニア新幹線工事に伴う大井川水問題の解決策として提示した田代ダムの取水制限案について、JR東海は東京電力と協議に入ったことを明らかにしました。静岡市の難波喬司市長は定例会見でこうした動きを歓迎する姿勢を示しました。

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【リニア新幹線】動き始めた田代ダム案について静岡市難波市長は

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静岡市 難波喬司市長 静岡市役所 午前11時ごろ:
「田代ダム案というのは非常に有力な案ですので、協議をぜひ進めて行かれたらよろしいのではないかなと」

 23日午前に行われた静岡市の定例会見で、難波市長が言及したのは、リニア中央新幹線をめぐる、いわゆる「田代ダム案」についてです。

 田代ダムでは大井川から水を取り、山梨県側に流すことで発電をしています。

 ただ、リニアの工事によって大井川の水が減ってしまう恐れがあることから、この田代ダムの取水量を調整して大井川に還元することで全量戻しを実現しようと計画しています。

 それが「田代ダム案」です。

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静岡県もJR東海と東京電力が協議することを了承

 JR東海は去年4月にこの「田代ダム案」を提案。

 「全量戻し策」の解決の糸口としても注目が集まっていいましたが、22日この田代ダム案について大きな動きが。

画像1: 静岡県もJR東海と東京電力が協議することを了承

「このたび、静岡県から回答のあった前提について確認が取れたため、本日、東京電力RPとの協議を開始しました。
 大井川流域の皆様にご安心いただけるよう、引き続き、B案(田代ダム案)の実現に向けて取り組んでまいります。」

 22日JR東海は「田代ダム案」について、ダムを管理する東京電力との協議を開始したことを発表しました。

画像2: 静岡県もJR東海と東京電力が協議することを了承

 この案をめぐっては、静岡県側が「水利権」を引き合いに慎重な姿勢を示し、JR東海と東京電力が協議に入ることを認めていませんでした。

 その後、JR東海が協議を始めるための前提条件を示し、文書を通じて県と、文言や表現の修正を何度もおこなってきました。

 そして、県は今月14日にJR東海と東京電力が協議することを了承したのです。

画像3: 静岡県もJR東海と東京電力が協議することを了承

静岡市としてもいろんな評価を積極的に

県の理事時代にもリニアを担当していた難波市長は「今後のリニア問題」について・・・

画像1: 静岡市としてもいろんな評価を積極的に

Q田代ダム案が進むことで、一つこの問題の着地点見通しは?

静岡市 難波喬司市長 @静岡市役所 午前11時ごろ:
「問題は三つあって「水問題」。水利用の問題です。それから「発生土砂の置き場の問題」。そして今度は地下水等が下がることによって、南アルプスの自然環境への「生物多様性の問題」。この3つがあります。
 田代ダム案はこれで、水利用の問題については、田代ダム案である程度前に進むと思いますので、これはこれで推移を見守ることが大事かなとおもいます。
 発生土については、これは安定性の問題ですので、そんなに不確実性が高い問題ではないと思っています。
 3つ目の南アルプスの生物多様性については、これは国の有識者会議で今検討がれていますので、それの検討結果を待って、それから前に進むということになると思います。
 ただ、静岡市としても、いつまで経っても、最後の検討結果が出るまで待っているということではなくて、市としてはいろんな評価はこれから積極的にして行きたいと思っています」

画像2: 静岡市としてもいろんな評価を積極的に

 進みだしたリニア問題。

 今後の動きに注目が集まります。