難波副知事「資料が変わった」…JR東海がリニアトンネル工事の対応策を示す 9回目の県専門部会
リニア中央新幹線工事に伴う南アルプスの生態系への影響について検証する県の専門部会が開かれ、JR東海から自然環境を保全するための対応策が示されました。
9回目となった会議には、JR東海や県の有識者のほか3人の専門家が委員として新たに加えられました。これは、前回の会議で出た有識者らの意見を踏まえたもので、南アルプスや両生類の生態に詳しい専門家です。
これまで会議では、工事に伴う自然環境への影響の回避・低減策などについて議論が行われてきましたが、委員からはJR東海から十分な資料が出されていないとの指摘が上がっていました。
きょうの会議でJR東海は、トンネルを掘ることで流量の減少が予測される沢を対象に『沢カルテ』を策定し、それぞれの沢の流域とトンネルの位置関係や破砕帯などを含めた地質状況などをまとめた上で保全措置に努めていく方針を示しました。また、工事用道路トンネルにおける影響の低減策として、トンネル湧水を減らすため掘削に先立ちトンネル前方に『薬液注入』を実施すると説明しました。
具体策を評価する委員もいた一方、「どれだけの効果があるか」と説明を求める声も上がり、JR東海は今後ボーリング調査などでデータを収集すると回答しました。
難波副知事:「今回資料がガラッと変わったのが一番の印象。トンネル内の湧水を減らすというのが一番大きな方法だと思うのでそれに対して正面から向き合って何とか対策を出そうということだと思う。ただしそれが有効かどうかはこれから議論する必要がある」