大井川流域10市町長はリニア工事に理解を深め静岡市長は自然環境保全に関して異論を語る
大井川流域の市長や町長らが、先週末リニア新幹線の山梨県の工事現場などを視察しました。今後の協議への影響は?
井口恭平ディレクター
「山梨県・中央市です。こちらではリニア中央新幹線の建設工事が進められていて、この場所では富士川の上流、釜無川の橋の工事が行われています。」
視察には各自治体のトップや議会の議長ら35人が参加し、JR東海の担当者から工事の進捗や川の水質への影響などについて説明を受けました
工事現場を視察した島田市の染谷市長が注目したのはやはり“水問題”のようです。
島田市 染谷絹代市長:
「水資源については、かなり当初の心配よりは不確実性が減ってきたというか、対処するすべがみえてきた、という段階にあると今思っています。流域が一番気にしているのは水資源の保全なので、そこについては、今後もより一層流域の理解が深まるよう、説明をさせていただけるよう、JRにも求め、また国とも県とも連携をしていきたい」
実は、この工事現場の視察前、染谷市長らは山梨リニア実験線で「時速500キロ」を体験したといいます。
川根本町 薗田靖邦町長:
「いや、初めてだったから、スピードもそうだし、すごいなって思った」
菊川市 長谷川寬彦市長:
「今まで経験したことのないような乗り物だと感じた」
島田市 染谷絹代市長:
「初めて乗らせてもらったが、やはり勉強になった。来てよかった。実際にリニアについての理解が深まったということは、あると思う」
一方、リニア工事に対して冷静な姿勢を見せているのが、今回視察を行った協議会には加盟していない、静岡市の難波市長です。
9月27日の定例会見後、前日に国の有識者会議で示された自然環境の保全に関する報告書案について、大きな問題点を指摘しました。
静岡市 難波喬司市長 9月27日:
「施工工事の開始前に保全措置はやるんですけど、回避低減をしっかりやるとはここへ書かれてないんですね。実際にやってみたら影響が出たら回避・低減措置をすると、こういうふうになっているんですね。」