国の暫定指針値の5倍超の「有害物質」…発がん性疑われるPFAS 緊急会見で水質調査結果発表 静岡市
静岡市は1日、清水区の化学工場周辺で高濃度の有機フッ素化合物PFASが検出されたと発表しました。市は事業者と自治会で連絡協議会を設置して、今後の対応を話し合う方針です。
静岡市 難波喬司市長:「市の測定により、当該工場周辺水路、公共用水域において、国の定める暫定指針値を超えるPFASが検出された」
静岡市の難波市長は緊急会見で、清水区の化学工場周辺で、発がん性が疑われる「有害物質」が高濃度で検出されたと発表しました。有機フッ素化合物PFASと呼ばれるその化学物質が、今、清水の街に不安を広げています。
木村秀平ディレクター:「静岡市清水区三保の化学工場です。こちらではおよそ10年前までPFASと呼ばれる発がん性が疑われる化合物が使われていたことが分かっていて、現在も工場内の排水と地下水で、国の基準値を超えるPFASが検出されています」
PFASとは
PFASとは水や油をはじく性質を持っていて、フライパンのコーティングや、防水加工の衣類など、日常的に使う物にも広く使われています。こちらの工場では、フライパンのコーティングとしても知られる「テフロン」などのフッ素樹脂を生産していて、PFASの一種を2013年まで使用していました。しかし、工場内の井戸の地下水から高濃度の有害物質が検出され問題となっています。
「暫定指針値を超えないよう事業者の方と協議」
こうした中、静岡市は、10月10日から11日にかけ、工場前の水路のほか、巴川や安倍川など市内5つの河川の水質調査を行っていました。
静岡市 難波喬司市長:「ここが事業所になる。ここに水路があるので、この水路の工場から出たところで採水をして、検査をしている。(PFASの一種)PFOS・PFOA合計で270ngが検出された」
日本では河川や地下水などの暫定指針値として、有害物質が1リットルあたり50ng(ナノグラム)以下と定められているため、5倍以上の数値が検出されたことになります。
静岡市 難波喬司市長 :「暫定指針値を超えないようにするということを事業者の方と協議をしていく必要がある。ただちに健康被害が出る状況ではないとは思うが、劇物であっても飲むとすぐだめだということであれば別だが、そういう物質ではないので、やはりデータが出てから、それを踏まえて速やかに対応をお願いしたいと思う」
市では10月17日から20日にかけて事業所周辺の個人所有の井戸5カ所でも地下水の調査を行っていて、結果は11月6日以降に発表する予定です。