静岡大学学長欠席で大学再編期成同盟会「1法人2大学」での再編方針が再確認される 浜松市
静岡大学と浜松医科大学の統合・再編を巡り、浜松市主導で結成した期成同盟会の会合が6日夜開かれ、静大側の1大学2校案への批判が相次ぎました。
梅田航平記者:
「間もなく期成同盟会の会合が始まりますが、あちら側を見てみると浜松医科大学の今野学長は出席していますが静岡大学の日詰学長の姿はありません。」
静大と、浜松医大の法人統合や、大学再編を議論する期成同盟会には、会長を務める中野祐介浜松市長や磐田、湖西、御前崎、菊川の市長、さらに双方の大学関係者などが出席しました。
期成同盟会は6日の会で両大学の学長に現状説明を求めていました。
浜松医大の今野学長が出席した一方で、静大の日詰学長は、浜松医大などの構想とは異なる「1大学2校案」を学内に説明している段階であることなどを理由に、会合を欠席。
一方で、浜松キャンパス側の学部長らは出席をしました。
そもそもこの統合再編問題をめぐっては2019年に2つの法人を統合し、静岡と浜松に新しい大学をつくる「1法人2大学」案で両大学が合意書を交わしていました。
しかし翌年の2020年10月に再編に慎重派である日詰氏が学長に選出されると風向きが変わり、日詰学長は2つの大学を1つの大学に統合し、静岡と浜松にキャンパスをつくる「1大学2校案」を新たに打ち出しました。
そして静大は、当時の合意案とは異なる「1大学2校」案を正式案とする方針を固めたのです。
6日の会合では
会合では、期成同盟会の会長をつとめる浜松市の中野市長が、2019年の「合意書案」1法人2大学での統合再編を後押しすると改めて表明しました。
期成同盟会会長 中野祐介浜松市長:
「大学再編・統合は、合意書に基づく統合・再編、これが我々にとっても改めてベストだと感じた」
浜松医大の今野学長も、2019年の「1法人2大学」での再編を主張。
現在、静大側が主張している「1大学2校案」のデメリットを強調しました。
浜松医科大学 今野弘之学長:
「現在の国立大学法人法では、キャンパスには大学の教育研究に関する重要事項を審議するための教育研究評議会を置くことはできません。」
「また各校に例えば校長、あるいはキャンパス長を置いたとしても、大学の長としての職務を行う権限は持てません」
「このように1大学2校案では、現行法令上は、各校の独立性、自立性を担保する法的根拠がなく、再編2大学(1法人2大学)において、法的根拠をもって地域ごとでの独立的運営を担保することが可能である」
そもそもこの「期成同盟会」は浜松市や地元経済界などが中心となってつくられたもの。
6日の会合は、“浜松側”が出席をしていない“静岡側”に苦言を言い合うような展開になっていきました。
浜松医科大学顧問 鈴木康友 前浜松市長
「これまで浜松キャンパスからの、いろいろな提案、意思は、ほとんど静岡側に採用されなかったと。すべて静岡(キャンパス)の方針が告げられて、その通りに運営されると。これは、言葉は悪いですけど、私は植民地支配だというふうに思います。植民地支配ではれば、私は自立、独立する道をだどるべきだと思います」
浜松医大側は
会合を終えた、浜松医大側は・・・
浜松医科大学 今野弘之学長:
「地域としての強い思い、決意を肌で感じたところでございます。」
「(静大側から1大学2校案を)それが、もし提案されても議論という形がとれるかというと、かなり難しい」
静大・浜松キャンパス側は
静大 浜松キャンパス側も日詰学長が提案する「1大学2校案」に反対の立場をとっています。
静岡大学(浜松キャンパス)工学部 福田充宏学部長:
「静岡大学内で議論が平行線とか、浜松医科大学様と議論ができない状況、こういう状況が続いていること自体、大きな損失ですので、いかにして合意書案の形で進んでいけるかというようなことで、学内の合意形成ができるよう、これからも頑張っていきたい。」
静岡側と浜松側で意見が食い違う静大の“お家騒動”
“静岡側”である静大は、12月行われる役員会で日詰学長が提唱する「1大学2校案」を正式な案として決定するとみられています。