【リニア新幹線】川勝知事の「部分開業」発言について静岡市の難波市長は「理解できない」
川勝知事が主張するリニア新幹線の「部分開業論」について、静岡市の難波喬司市長は今年最後の定例会見で、「経営に関係のない者がする話ではない」などと立場の違いを明確にしました。
静岡市 難波喬司市長
「そんな関係ないわけですよ、静岡県には。企業の経営に関係ない者が『部分開業がいいです』とか、そんなことを言う話ではない。まあ、ちょっと理解できないですね」
静岡市の難波市長が、22日の会見で語気を強めて言及したのは、いまだ静岡工区着工のめどが立っていないリニア新幹線の“部分開業”についてです。
川勝知事の「部分開業論」
そもそも、なぜこんな話が浮上してきたかというと…。
川勝知事 12日
「開通できる状況になった部分から開通させるということが、営業実績になり、解決策になると考えている」
21日閉会した県議会。
会期中に川勝知事が主張した“リニアの部分開業論”が波紋を呼んでいます。
JR東海は否定
21日、JR東海は改めて知事の考えを否定しました。
JR東海 丹羽俊介社長
「部分開業を行う考えはありません。開業のための多くの設備をセットで完成させる必要があるほか、試運転や運営体制をはじめ確認すべきことが数多くあるため、現実的ではないと考えている」
山梨県の長崎知事は
こうしたなか、“部分開業”についてお隣、山梨県の長崎幸太郎知事が口を開きましたー。
長崎幸太郎 山梨県知事
「南アルプストンネルというのは大変長大な、巨大な工事になって、相当程度の日数もかかるのかなと思う。だとすれば、仮に甲府から品川までの間が先に完成が見通せる場合があれば、トンネルが出来るまでの間は、品川から甲府までの間を行ったり来たりというのも、決してない話ではない」
あくまでも全線開通を前提としながらも、品川~山梨間の部分開業を歓迎する考えを示しました。
難波市長は
一方、川勝知事の“元部下”である静岡市の難波市長は・・・
難波喬司 静岡市長 (午前11時すぎ)
「リニアの全線開通、早期にリニアが実現するためにはそのほうがいいということでおっしゃったんだと思いますけども、私前から申し上げてるんですけど、あの事業は民間事業。国家的事業ですけども、民間JR東海という民間企業が実施している事業。その事業者がどういうふうに開業していくかなんてことは、その事業者が決める話であって、その企業の経営に関係ない者が部分開業がいいですとか、そんなこという話ではないと思う。自分の県であればまだいい。静岡県に影響するから早く通してくれという。例えば、山梨県がそう言うんだったら、それは分かりますけど、そんな関係ないわけですよ。静岡県には」
Q.リニア問題を解決するためには県の専門部会とか、国の有識者会議とか市の協議会というのがあると思うんですけれども、その問題を解決するために、そういった会議を開いているのに、部分開通という解決策として出されたことについてはどう思いますか?
「理解できない。市の協議会もそうですし、県の専門部会も同じですけど、これは環境影響評価をやるためにやってるんであって、部分開業がいいのか、全線開業がいいのかっていう議論する場ではない。したがって、少なくとも静岡市としてはそういう問題に入るつもりはありませんし、県としてそういう問題について何か言われるのは非常に変ではないかなと思っていますけど。」