自民党派閥「裏金疑惑」…東京地検特捜部の強制捜査開始から1週間 宮澤の乱の行方は
記者:清和政策研究会(安倍派)の入るビル (19日)
「東京地検特捜部の係官らが、安倍派事務所の建物へと入っていきます。これから家宅捜索が行われるものとみられます」
自民党派閥の“裏金疑惑”をめぐり、東京地検特捜部が安倍派と二階派に強制捜査に入ってから26日で1週間。
この2つの派閥では、パーティー券の販売ノルマを超えた収入が所属議員側にキックバックされ、派閥の収支報告書に記載されていない疑いがあります。
その後の関係者への取材で、特捜部が安倍派の萩生田光一前政調会長から任意で事情を聴いたことが分かりました。
特捜部はすでに塩谷立座長や松野博一前官房長官らからも事情を聴いていて、これで安倍派内の5人の幹部から任意聴取をしたことになります。
師走に飛び込んできた「政治とカネ」をめぐる疑惑。
本来、永田町での動きが注目を集めるニュースですが、今回は「静岡」も注目のキーワードとなっています。
その理由は・・・。
自民党 安倍派 宮澤博行衆院議員 (13日/国会内):
「ここに至った限りにおいては、もうしゃべるしかない。そう思って決断したところでございます。」
Q(不記載は)大体おおよそいくらぐらいに?
「はっきり申し上げます。 3年間で 140 万円です」
「しゃべるな、しゃべるなって、これですよ」
「もう喋るしかない」・・・そう語気を強め、“不記載”について激白した衆院静岡3区を地盤とする宮澤博行議員。
実は、宮澤議員が裏金疑惑騒動の中に舞い込んだきっかけは、この激白よりも前のことでした。
自民党 安倍派 宮澤博行衆院議員(磐田市/10日):
「申し訳ございませんでした」
国会で激白をする3日前、自身の秘書が交通事故で逮捕されたことを受けて磐田市内で取材を受けていた宮澤議員。
ここで記者から「別の質問」が投げられます。
Q 宮澤さんにパーティー券問題はない?
自民党 安倍派 宮澤博行衆院議員:
「今、その精査中でございます。精査中でございます。今、事務所におけるパーティー券のあり方については精査中。さかのぼって精査している」
この時は「精査」という言葉を繰り返していましたが、国会に戻ると一転、140万円という具体的な数字と共にその実態を明かすことに。
なぜ、政権をも揺るがすような激白をしたのか。
翌日、番組の単独インタビューに応じた宮澤議員は・・・。
宮澤博行前防衛副大臣 (静岡・葵区 14日):
「一番最初にしゃべるというのは、しゃべって潔白を証明してイチ抜けたっていうのは・・・。みんな苦しい思いをしているんだから、これは歩調を合わせなくちゃいけないっていうことは、実はずっと思っていた。私としては、いろいろな精査も大分見えてきた中だったので、早く説明したい。説明する機会がほしい、そう思っていたところ、国会最終日ああいう形になりまして、もうこれは逃げることはできない。そう思ってあの瞬間に決断をした」
今回の疑惑によって、防衛副大臣を事実上更迭されることとなった宮澤議員。
Qご心境としては改めていかがですか?
宮澤博行前防衛副大臣 静岡・葵区 25日:
「本当に悔しいです。副大臣というのはそう簡単になれるものじゃない。
宮澤議員が所属する安倍派の幹部、塩谷座長は特捜部の調べに対して「適正に処理されていると思っていた」という趣旨の認識を示してしているといいます。
安倍派では去年、キックバックを廃止する方針を一度は決めたものの、議員側から反発があり、その後撤回していたことも分かっています。
Q(去年)キックバックを1回止めようってなって、それが撤回されたという報道が出たが?
自民党 安倍派 宮澤博行衆院議員 (23日・菊川市):
「直近2年について改善したほうが良いんじゃないかという感触はあった」
疑惑で揺れる自民党。
安倍派の幹部も記載のないキックバックを受けた疑惑も浮上するなか、東京地検特捜部は、年をまたいで詳しい経緯や資金の流れを追及するものとみられます。