川勝知事「被災地支援会議」より「新年のつどい」優先 静岡県「どちらも重要」 自民は知事に申し入れへ

 静岡県の川勝平太知事が、石川県を含む被災地支援会議に出席していなかった問題で、県議会の自民改革会議は知事に申し入れをする方針です。

「新年の集い」に出席した理由は?

静岡・川勝平太知事(9日)
Q.地震の支援会議に出席せず、新年のつどいに出席した理由は?

A.「(4日午後)3時半に馳知事と支援体制を確認しました」

 9日午後、記者の問いかけに応じた川勝知事。
その後、県庁を出て向かった先は…。

 浜松商工会議所が開いた「新年祝賀会員交歓会」です。

静岡・川勝平太知事:「何としても同胞を救うと、やらまいかという信念でここに今立っている」

 能登半島地震についてこのように話した川勝知事ですが、今、“ある行動”について注目を集めています。それが…。

被災地支援会議の時間帯に「新年のつどい」出席

 ステージ横で座る川勝知事。これは4日、静岡新聞社・静岡放送主催の「新年のつどい」に川勝知事が出席した際の写真です。この「新年のつどい」が行われていたのと同じ時間帯に、静岡県を含む中部9県や名古屋市との被災地支援会議がオンラインで開かれていました。

 被災した石川県をはじめ、会議には、各県知事や名古屋市長が出席する中、静岡県だけは知事ではなく危機管理監が代理で出席しました。会の冒頭、被災した石川県の馳浩知事は…。

石川県 馳浩知事(4日):「引き続き、人命救助を最優先に取り組んでいるが、同時に避難所の運営・健康管理、こういったことも取り組む必要がある。どうぞ石川県を助けてくださいますようによろしくお願いします」

 9県1市は災害発生時に応援協定を結んでいて、会議では石川県を重点支援先とする方針を確認しました。

愛知県 大村秀章知事:「石川県七尾市津幡町に対して、飲料水・食料等の納入をさせてもらっている。知事会の皆さんと一体となって迅速に対応してまいります」

名古屋市 河村たかし市長:「全力で応援をさせていただいております。一応、市町村でございますので、(復興に向けた)行政の立ち上げには非常にしっかりとした都市計画があるので、力になります」

 静岡県を除く8県1市の首長は支援について発言をしましたが、代理で出席した静岡県の黒田健嗣危機管理監が発言をすることはありませんでした。

仕事始め式では『危機管理を常に念頭に…』

 川勝知事が「新年のつどい」に参加した4日は仕事始めの日。県の仕事始めの式では知事がこんなことを話していました。

静岡・川勝平太知事:「この寒空の中で、厳しい生活を送られている。本県においても、このことはひとごとではない。危機管理を常に念頭において仕事をしなくてはならないと、改めて我々は痛感しているのではないか」

 「ひとごとではない」と話しながらも、「新年のつどい」に参加した川勝知事。県側は「新年のつどい」と「被災地支援会議」はどちらも重要だったとしています。そんな中、9日、川勝知事は浜松商工会議所の「新年祝賀会」に出席。発言に注目が集まっていました。

静岡・川勝平太知事:「我々の同胞が、太平洋の反対のところで今厳しい生活を強いられております。私は静岡県知事であると同時に、浜松市のやらまいか大使を仰せつかっておりまして、何としても同胞を救うと、やらまいかという信念でここに今立っている。なんとしても、この石川県に手を差し伸べたいという思いでいっぱい」

 このようにあいさつし、被災地に支援することを強調。会場を後にする川勝知事に記者たちから問いかけが。

Q.4日の会議に出るべきだったとの声があがっていることに対しては?

A.「もう(4日午後)3時半に、静岡県は5時の会議はご案内の通り、馳知事から助けてくださいと各県知事がやりますという会議。我々は先に助ける体制を整えて、(4日午後)3時半にようやく馳知事と連絡が取れて、空港に拠点を設けた。そしてすぐにOKと。だから全て我々は先行して救援に入っていた。ですから後はお聞きするだけ、だから危機管理…」

Q.欠席の件はご自身で馳知事に伝えたのか?

A.「もちろん。それは言っていません、知りませんでした」

Q電話では伝えていなかったということですか?
A.「……」

Q.出席するべきだったとの声が上がっていることに対しては?

A.「……」

自民会派は知事に申し入れへ

 この知事の行動を問題視したのが、県議会最大会派の自民改革会議です。10日午前、臨時の役員会を開き、被災地への支援とともに、知事の行動についても協議しました。

自民改革会議 増田享大代表:「どんな事情があるにせよ、被災された皆さんの思いや現地にたくさんの県内関係者が支援に赴いている状況を考えると、公務を優先すべきであって、欠席というのは本当に残念なこと」

Q.会派の対応は?
A.「危機管理のトップでもあるし、支援する静岡県の代表者でもあるので、私どもとしてはこうあるべきだという思いがあるので、そういった申し入れを知事にしたいと考えている」

Q.特に問題はないとの認識を示していたが?
A.「発災直後から関係自治体はみんなで応援しようという気持ちで動き出しているので、支援についてはどの県も速やかに動いているので、そこは当然のこと。ただ、第一回目の被災県を囲む中部ブロック圏の会議であったので、公務ですよね、どう見ても。公の会議なので、本県代表者として出ていただくのが本筋だった」

 自民改革会議は他の会派とも相談のうえ、早ければあす11日にも知事に直接申し入れを行う予定です。