「安くていっぱい食べられる」鶏肉が人気…家計調査で初の1万8000円超え 総菜もから揚げの売れ行き大幅増 静岡市

 こんがりと焼けた1羽丸ごとの「チキン」。子どもから大人まで大人気の「からあげ」。実は今、鶏肉の人気が高まっているといいます。

「安くていっぱい食べられる」鶏肉が人気…家計調査で初の1万8000円超え 総菜もから揚げの売れ行き大幅増 静岡市

 先日、総務省が発表した家計調査(2人以上の世帯)によりますと、1世帯あたり1年間で購入する鶏肉の金額が、去年初めて1万8000円を超え(1万8558円)、過去最高額となりました。一方で、牛肉の購入金額は、2020年を境に下落傾向。一体、今何が起きているのでしょうか?

「安くていっぱい食べられる」鶏肉が人気…家計調査で初の1万8000円超え 総菜もから揚げの売れ行き大幅増 静岡市

スーパーでは豚の半額、牛の3分の1

 静岡市内で取材しました。

能地優アナウンサー:「静岡市内のスーパーに来ています。こちらでは鶏肉100gが税込み106円で販売されています。これから多くのお客さんが買い求めることを見越して、補充が着々と進められています」

能地優アナウンサー
能地優アナウンサー

 取材した13日、こちらのスーパーでは特売日ということもあり、国産の「若どりもも肉」が100g106円となっていて、朝から多くの客が、鶏肉を買い求めていました。

 スーパー側も鶏肉人気を実感しているようです。

田子重西中原店 増田克己店長:「今、鶏肉全体で言うと、売上げは前年比で1割ぐらいアップしている。やはり、単価が安いということで、客が牛肉とか、豚肉とかをちょっと止めて、鶏肉にシフトしているのかなと思う」

増田克己店長
増田克己店長

 こちらのスーパーの場合、鶏肉の価格は、豚肉のおよそ半額、牛肉の3分の1ほどの価格で購入出来ることから、物価高騰の中で安く購入できる鶏肉に人気が集まっているようです。

「安くていっぱい食べられる」鶏肉が人気…家計調査で初の1万8000円超え 総菜もから揚げの売れ行き大幅増 静岡市

からあげも4割近く売り上げ伸びる

 そして、「からあげ」などの総菜にも大きな変化が出ているといいます。

田子重西中原店 増田克己店長:「鶏のからあげの売り上げが最近すごく伸びている。1年間で大体4割弱増えている」

 爆発的な売れ行きに、スーパーでは品切れをしないように、製造量を増やして対応しているということです。

総菜の売り上げにも変化
総菜の売り上げにも変化

 スーパーの買い物客はー。

客(夫30代、妻20代、子ども1歳)
Q:普段よく買われる肉は?
A.「鶏肉」
Q:理由は?
A.「安くていっぱい食べられるから。」
Q牛肉とか豚肉は買いますか?
A.「豚肉は、鶏肉だけだとちょっと偏っちゃう時もあるので買うけど、牛肉はちょっと高いので、きょうお父さん頑張ったから、ちょっと牛丼とか、そういう風にしようという感じ。牛肉買ったのいつだろう。ちょっと思い出せない」

客(70代)
Q:普段よく鶏肉を買う?
A.「コレステロールとか、そういう面を考えて、鶏肉は優先的に使っている」

客(90代)
Q:すごいお肉が買い物かごの中に入ってますけど?
A.「魚があまり好きではないので、肉にいつもなる。鶏はよく使う。この年ですので、あまり脂の肉は食べられない」

客(50代)
Q:今、手に持たれているのは2つとも鶏肉ですか?
A.「そう。鶏むね肉ともも肉」
Q:最近よく鶏肉は使いますか?
A.「そうですね、牛、豚、鶏の中では、鶏を一番使う」
Q:常に冷蔵庫にある?
A.「まあ、そんな感じ」

 スーパーの買い物客に話を聞くと、健康面も意識しながら、やはり安くて、料理の材料としても使いやすい、鶏肉の人気が絶大でした。

鶏肉料理の店では…来店客が2~5割増

 高まりをみせる鶏肉の人気。静岡市内で鶏肉料理を提供する人気店でも変化がありました。

 静岡市葵区にある「ビストロチキート」。中世ヨーロッパの港町のような店がコンセプトで、おいしい鶏肉料理が楽しめます。人気の料理は客の8割が注文するという「ロティサリーチキン」。

「ビストロチキート」
「ビストロチキート」

ビストロチキート静岡呉服町店 望月悠斗店長:「48時間ほど、ハーブなどに漬け込んでいて、そちらをオーブンで焼いて、皮はパリッと中はジューシーな仕上がりとなっている」

 ランチでは、ロティサリーチキンをプレートで提供していて、ここ最近は来店客数も1.2倍~1.5倍ほど増加しているといいます。店長の望月さんは人気の理由をこう分析しています。

ビストロチキート静岡呉服町店 望月悠斗店長:「牛肉等と比べると、安価で求めやすくなっているし、低カロリー高タンパク質で、今、筋トレブームだったり、ダイエットブームがあったりするので、その辺の観点から鶏肉の方が皆さん求めやすくなっているのかなと思う」

 家庭だけでなく外食でも人気となっている鶏肉。このブームを店側としてはチャンスと捉えているようです。

望月悠斗店長
望月悠斗店長

ビストロチキート静岡呉服町店 望月悠斗店長:「家庭内でも鶏肉料理作っていただくことは良いことですが、外食ならではの味付けだったりとか、豪快さというものがあったりするので、そういったものを求めて、外でしか食べられないというものを皆さんに楽しんでもらいたい。」

 健康志向という理由だけでなく、物価高の影響が色濃く出た形となった鶏肉の家計調査。今後も社会的な動きが、私たちの食生活に大きな影響を与えることになるかもしれません。