「安心して第2子を」焼津市がふるさと納税の寄付金を財源に独自の子育て支援策を展開
全国の自治体の中でもふるさと納税の寄付額が上位に位置する焼津市。独自の支援策や拠点作りによって安心して子育て世代が暮らせるまちへと取り組みを進めています。
子育て世代:
「いい環境だと思う。」
子育て世代:
「医療費は子どもは全額無料だったりとか、形で示してくれるのはいい。」
およそ13万7000人が暮らす焼津市。
水産物に恵まれたこの港町はいま、子育て世代にとって「住みやすいまち」に変化を遂げています。
焼津市の子育て支援策
焼津市 中野弘道 市長 8日
「この当初予算案については2月15日から始まる焼津市議会2月定例会に提案する。」
焼津市は2月8日に新年度の当初予算案を発表、子育てや教育の分野への支援策が盛り込まれました。
なかでも制度に大きな変化が見られたのは、第2子の保育料についてです。
現在、焼津市では0~2歳児の第2子以降の保育料について、第2子は半額、第3子は無料という形をとっていました。
それが4月からは第2子以降は無条件で保育料が無料になる計画です。
また予算案には子育て世帯が新築住宅を建てる場合に補助が受けられる助成制度もあり、子育て支援策の拡充が進められています。
保育幼稚園課 平岡雅子課長 13日:
「安心して子育てができて、子どもも心豊かに育っていただくことが焼津市の子育ての目標。誰もが安心して子どもを産んで育てていけるように、市の独自支援策として0歳~2歳の(第2子の)保育料を無料化していく。」
焼津市がこの制度を進める背景には、子育てに伴う経済負担の問題があります。
厚生労働省の調査によると、夫婦が理想とする子ども数の平均は2.25人となっていて、子どもを2人以上持ちたいと考えている家庭が多い現状があります。
一方で、理想とする数の子どもを持たない理由については「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」という理由が回答の大部分を占めていて、経済的理由から第2子を諦めてしまう実態が浮き彫りとなっています。
保育幼稚園課 平岡雅子課長
「少子化の歯止めがかからない中、望む数の子どもを持てるための支援策として、特に2人目の子どもにかかる経済的負担を軽くすることで、少しでも安心して子育てをしてもらえればと考えている。」
財源にはふるさと納税が
充実した子育て支援を展開していく焼津市。
こうした支援策には焼津市の「ふるさと納税」が関係しています。
焼津市のふるさと納税は昨年度、全国11位と人気が高く、今年度の寄付額は去年12月末時点で96億3000万円あまり。このままいけば過去最高額の100億円に達する見通しです。
こうした財源を原資に焼津市では様々な支援策に取り組むことができるといいます。
保育幼稚園課 平岡雅子課長
「全国からいただいたふるさと納税の寄付金を活用させていただいている事業もある。そういったものを使って焼津で子どもを産み育てる、子育ての応援や子供たちの豊かな育ちのための施策にさせていただいている部分はある。」
子子育て支援の拠点施設「ターントクルこども館」
「ふるさと納税」を財源として利用した取り組みは、今までにも─
嶋田光希アナウンサー:
「JR焼津駅から歩いて8分ほどの場所にあるターントクルこども館に来ています。子育て支援の拠点として作られたこちらは、建設時にふるさと納税の寄付金の一部が活用されたということです。」
2021年7月にオープンした子育て支援の拠点施設「ターントクルこども館」。
1階にはおよそ7000冊の絵本が揃えられた、こども図書館「やいづ えほんと」。
2階と3階には静岡県産の木材を使った体験型美術館、「焼津おもちゃ美術館」で構成されています。
オープンから1月までに、来館者数はおよそ20万人を超えたこちらの施設。
支持される理由とは─
ターントクルこども館 堀内 千穂 館長
「屋内の施設で雨の心配もなく、見守っているスタッフのほかにボランティアの方もいる。親だけでなく館のスタッフの見守りの目もあって、そのなかで安心に安全に遊べる。」
漁業が盛んな焼津ならではの、遊びながら学べる木のおもちゃはもちろん、 多くの人の目があるからこそ、親も安心して子どもを遊ばせられるのも魅力の一つだといいます。
Q.すごく楽しそうに遊んでいる
小山町から:
「木のおもちゃが大好きで、やっぱり遊べる施設がすごく多いので、結構いろいろな体験というのもできるところが魅力的。」
藤枝市から:
「週に一回くらいで来ている。木のおもちゃがいっぱいなので、落ち着くというか、子どもたちもすごく気に入っていて。」
市内外を問わず、子育て世代に人気を集めているこちらの施設。
焼津市民は
こうした施設の存在や行政の取り組みを、焼津市民どう感じているのでしょうか─
焼津市民 30代:
「子育てをしているなかで不安はたくさんあるので、そのなかでこういった施設でお母さんたちと交流できると、一緒に(意見を)交換できたり、アドバイスをもらえるので、そういったところはいい。子どもたちも触れ合えるので、遊んだりもできるし、この子も人見知りだったが、今では子どもたちに一緒に遊ぼうって遊ぶようになったので。」
焼津市民 20代:
「(焼津市は)医療費が子どもは全額、無料だとか。未来につながる子どもたちを増やそうっていう意思というか、形で示してくれるのは嬉しい。」