能登半島地震から始まり災害に見舞われた一年 生活用水の確保から再点検を

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元日に石川県の能登半島を襲った地震から間もなく1年が経ちます。能登半島の災害で特に深刻だったのは断水です。

 元日に石川県の能登半島を襲った最大震度7の地震。

 地震発生時は静岡県内でも袋井市で震度4、浜松市や牧之原市などで震度3を観測しました。

 この地震では災害関連死を含め469人が亡くなり、未だ2人の行方がわかっていません。

輪島塗 太王 高夕起子さん(75):
「ダメ押しのような」

高政雄さん(71):
「泣きっ面にスズメバチって感じ」

林輝彦アナウンサー:
「人の背丈を超えるほど流木やがれきが 積まれています。またこの辺りにあった家は流されてしまい、今は家の基礎や土台部分しか残っていません」

地震の8カ月後には豪雨災害

 発災からおよそ8カ月後。

 被災地を今度は大雨が襲いました。

喜三翼音(14)さんの父 喜三鷹也さん:
「本当に見つかってくれて良かったです。お帰りと声をかけたいです」

 9月21日未明に降った大雨の影響で、輪島市を流れる
塚田川が氾濫し、中学3年生の喜三翼音さん(当時14)を含む16人が亡くなりました。

「出ない」

 能登半島の豪雨災害で特に深刻だったのは断水です。

 9月の大雨では自宅が流されるなどの被害に加え、停電の影響による水道施設の停止や水道管の破損により断水。

 この影響で一時、1453人が避難。

 生活用水の確保が課題となりました。

豪雨災害から断水
豪雨災害から断水

災害時協力井戸に登録

 静岡市で不動産業を営む鈴木勝貴さん(41)は、自身の井戸を災害時協力井戸として提供しています。

「結構勢いよく出るんですね」

鈴木勝貴さん:
「ここは安倍川が近いので 水量はものすごくあるそうです」

 災害時協力井戸はおととし9月の台風による清水区を中心とした大規模断水をきっかけに、去年7月に静岡市が始めた取り組みです。

 災害時は誰でも生活用水として使うことができ、こちらの看板が目印です。

 鈴木さんは2016年の熊本地震をきっかけに井戸を新調。

 静岡市の災害時協力井戸の制度が始まると、すぐに登録したといいます。

鈴木勝貴さん:
「元々あれば良いなという制度でしたし、地元の役にも立つかなと思って(看板を)つけました」

災害時協力井戸
災害時協力井戸

自前で水を確保する大切さ

 市は能登半島地震などをきっかけに支援を強化。

 ポンプを購入する費用の上限5万円に加え、10月からは井戸を登録した人に奨励金として3万円を支給。

 さらに、自主防災会が井戸を掘削した場合は、50万円を上限に補助金を支給しています。

 静岡市によりますと、登録数は奨励制度が始まる前の9月末時点では89件だったものが、13日時点では189件にまで増えました。

 しかし、難波喬司市長は「まだ十分ではない」との見解を示しました。

静岡市 難波喬司市長:
「上下水道局でタンクを開放して、そこから直接水を取れるようにするというような改修もしようとしているので、
そういったことを見ながら、最終的に災害時協力井戸はこれくらいの数は必要だなというようなことは出していきたい」

 鈴木さんは「自助公助のもと、災害時に自前で水を確保する大切さ」を訴えます。

鈴木勝貴さん:
「みんなで助け合っていかないといけないので、その一助になれば良いかなと思って井戸も登録したんですが(広域災害時は)やはり給水車も来ないと思うので、自前で水源を確保するのはすごく重要なことなのではないかなと」

 いつ来てもおかしくない南海トラフ巨大地震。

 夏には宮崎県沖で発生した地震に伴い、初めて「臨時情報」が発表され、緊張が高まりました。

 現実味を増した災害に備えて、生活用水など身近な対策をどうすれば良いのか、再点検する必要に迫られています。

鈴木勝貴さん
鈴木勝貴さん