能登半島地震で表面化した課題【地域の孤立化】静岡県伊豆半島でも孤立化の危惧が
能登半島地震から1日で1カ月。今回の震災で課題のひとつとなったのが、地域の孤立化です。実は、この「集落の孤立化」は県内でも数多くのエリアで懸念されています。
能登半島地震の発生から1日で1カ月。
石川県内では地震による道路の亀裂や液状化で交通が寸断し一時、最大24の地区で 3345人が孤立状態となりました。
災害発生時に救助や支援の妨げとなってしまう地域の孤立化。
実は、静岡県内にも孤立集落となってしまう可能性がある地域が数多く存在しています。
海と山に囲まれた伊豆市土肥
能登半島と同じように、山に囲まれた地域や、海に面した地域がある伊豆市では・・・
伊豆市 菊地 豊市長:
「例えば、天城地区であれば国道がどっかで崩れればそこから先は1本道ですから、西方向の道路も湯ヶ島温泉の所から先、また1本道ですから、ほぼ孤立するだろうなと思っていて、伊豆市から南は全部ああいう状況になると思います。能登半島の先端と同じ状況」
もし、今回の能登半島地震や、南海トラフ巨大地震のような大災害が起きた場合、伊豆市ではどういった状況になってしまうのでしょうか。
栗田 麻理アナウンサー 31日 伊豆市・土肥
「伊豆市の土肥です。こちらでは南海トラフ巨大地震が発生した場合、10mの高さの津波が来るとされています。また周りを見てみると辺りは山々に囲まれていて土砂災害が発生する恐れがあると考えられています。住民の皆さんは交通が遮断されてしまうのではないかと不安に思われているようです。」
伊豆市の西側に位置し、海や山に囲まれている土肥地区。
この地区に行くためには伊豆半島の内陸部からは国道136号の山道、北からは県道17号、南からは国道136号の海沿いの道を通る必要があります。
どの道も、土肥に住む人たちにとっては生活に欠かせない道路です。
ところが、この道路の沿道の多くは土砂災害特別警戒区域に指定されていて、仮に土砂災害や津波によって寸断された場合には、集落全体が孤立する可能性があります。
こうした実情に、地元からも懸念の声が・・・。
地元からも不安の声が
伊豆市観光協会土肥支部 山田伸次事務局長:
「陸の孤島にもなりかねないような地形ですので、大きな地震が来ると津波の他にも道路が寸断されたり、水の供給がなくなるとかそういうことが想定される。(能登半島地震は)日本海側のことだが、他人事ではない。海があるので海を使って船で食料を輸送することはできるとは思うが、港が壊れてしまえばそれもできないのでその点は不安」
土肥地区では住民を対象に、年に数回、避難訓練を行っていますが、能登半島地震で目にした光景は、その防災意識をさらに高めたといいます。
伊豆市観光協会土肥支部 山田伸次事務局長
「旅館なども避難地として活用できるし、旅館は数日分の食料などの備蓄もあるので、そういう面では避難地としては使えると思っている。心配ばかりしてもしょうがないので訓練を繰り返して安心安全な街づくりに努めていければと思う」
人命にも大きく関わる「集落の孤立化」。
伊豆半島の7市6町では臨時の市長町長が会議を開き、今後の対策について協議する方針です。