静岡県新年度当初予算案を発表~鈴木康友知事初の予算編成・ポイント解説
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石田和外アナウンサー)
解説は県政キャップの久須美記者です。よろしくお願いします。
久須美舞記者)
よろしくお願いします。
石田)
鈴木知事就任後初めての予算編成です。
鈴木知事は「スタートダッシュ予算」と名付けましたが、久須美さんはどんな予算だと思いますか?
久須美)
一言で表すと「浜松市長時代の再チャレンジ予算」になると思います。
事業内容、行財政改革ともに浜松市長時代の経験が反映されていると感じました
石田)
川勝県政時代と変わった点はありますか?
久須美)
注目したいのが財政健全化への取り組みです。
来年度の財源不足は、試算段階では今年度の555億円を上回る620億円と見込まれていましたが、きょうの発表では、そこから70億円削減された550億円となりました。
県の担当者によりますと、知事が各部局のトップを集めて100億円規模の大幅な予算の見直しを指示し、その成果として、全庁的に予算を削減できたといいます。
石田)
浜松市長時代に行財政改革を推進した知事の経験が生かされた点もあるんでしょうか。
久須美)
はい、県は今回初めて10年期間の「中期財政計画」を策定しました。
県の借金と言われる県債残高を10年後の2034年度末までに1000億円程度削減する目標を掲げています。
鈴木知事は歳入・歳出の両面で見直しを図る考えで、その第一弾となる象徴的な取り組みが知事公舎の売却です。
売却によって見込まれるのは3億円程度と、これだけを見れば成果は限定的ですが、財政健全化に向けては既存事業や大型事業の見直しが含まれることもあり、今後、県議会での論戦に発展する可能性もあります。
知事が浜松市長時代に1300億円の借金を返済した手腕が県政でどこまで発揮されるのかどうかは、次の一手としてどんな施策を打つのかも、ポイントになりそうです。
石田)
そして、組織改編についても発表がありましたが副知事人事については説明はなかったんですね。
久須美)
新しい副知事人事案が県議会2月定例会に提出されることもあり注目されていましたが、知事は「現時点で具体的なことは言えない」と詳細について語ることを避けました。
関係者によりますと、人事案を議会に提出するまでは報道陣への説明を控えたい意向で、議会への気遣いの現れだと思います。
石田)
こうした中で候補の塚本さんはきょう沼津市に辞表を提出する動きがありましたね。
久須美)
はい。新しい副知事候補は総務省出身で元浜松市財務部長の平木さんと現在沼津市の副市長を務める県職員OBの塚本さんの2人です。
平木さんについては浜松市での働きぶりを評価する鈴木知事が去年の9月議会で副知事に起用する人事案を提出する考えでしたが、県議会最大会派の自民改革会議から「浜松市に偏った人事」との反発を受け、提出を断念した経緯があります。
塚本さんとともに起用することで東西のバランスという点で自民に対して配慮し、了承を得た形です。
石田)
今回の予算・人事から見えてくることは?
久須美)
川勝前知事と鈴木知事の後ろ盾として県政への影響力があったスズキの鈴木修相談役が亡くなり、県政のパワーバランスが変化し始めた中での、
初めての予算編成・人事となりました。
今回の知事の采配を見ても、相対的に、自民会派の影響力が強まっていると言えそうですが今後は不透明な状況です。
石田)
久須美記者でした。