静岡県が新年度当初予算案を発表 一般会計は1兆3723億円と過去最大

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鈴木知事が静岡県の新年度予算案を発表しました。一般会計の総額は1兆3723億円で過去最大です。

鈴木康友知事:
「『スタートダッシュ予算』と命名をさせていただきました。1つ目はチャレンジ元年です。人口減少や社会を大きく変える技術革新などを前提として、積極的にチャレンジをしてまいります。2つ目は財政改革元年であります。新たな取り組みを積極的に進めるため、10年間の中期財政計画を策定し、持続可能で健全な財政基盤の構築に着手をいたします」

 10日午後、就任後初となる予算編成を発表した鈴木知事。

 一般会計の総額は過去最大の1兆3723億円で、今年度から563億円の増額となりました。

 後期高齢者医療や子ども・子育て支援の扶助費が増加したことや、物価高騰の影響を受けたことが要因です。

 重点を置いた取り組みの一つが能登半島地震を教訓とした防災です。

 道路整備に174億400万円を投じる他、新たに耐震シェルターの導入補助を追加するなど住宅耐震化支援に5億5200万円を計上します。

企業誘致

 この他、鈴木カラーが反映される重点項目も注目されます。

鈴木康友知事:
「企業立地件数75件、産業団地を、これから10年間で500ヘクタール開発することを目標に掲げ、私自らのトップセールスによる誘致強化に取り組むほか、産業団地の開発支援にも取り組んでまいります」

 知事選から自身が掲げる「企業立地日本一」の実現に向け、県内への企業誘致と産業団地の開発などに120億6300万円を計上。

 地域経済活性化のためのスタートアップ支援に今年度の倍以上となる6億8000万円を盛り込みました。

スタートアップ支援
スタートアップ支援

医師偏在対策

 県東部の医師不足を解消するための整備にも力を入れます。

鈴木康友知事:
「浜松医大、そして順天堂大学にお願いをして、例えば医師不足の東部地域等へぜひ指導医を派遣してくださいということで。これは1年、2年ではなかなか効果が出てきませんけれども、少し時間をかければ確実に医師が増えていく」

 県は新たに医師偏在対策の強化事業として1億円を計上。

 5年後の東部地域の医師数を80人程度増やすことを目指し、寄付講座の設置や専門医養成に向けた体制構築を行うとしています。

県東部の医師不足を解消
県東部の医師不足を解消

県債は

 そのほか、少子化対策や子育て支援充実の一環として
男性が育児休業を長期取得できるよう支援する事業費として2400万円。

 富士山の登山規制に伴う安全対策費用などに5億1800万円を計上します。

 こうした施策の財源となる県税は、賃上げに伴う所得の増加などにより390億円増えましたが、国の補助を除く県の借金=県債は、今年度末より193億円あまり少ない1兆6020億円に上る見通しです。

 少子高齢化対策や子ども・子育て世代への支援を拡充させた当初予算ですが、私たちの暮らしはどうなっていくのでしょうか。

借金=県債
借金=県債

副知事人事

 会見では組織改編も発表されましたが、副知事人事案について知事は詳細を語りませんでした。

 ただ、午前行われた議会運営委員会では、新たな副知事に総務省の元官僚で、浜松市の財務部長を務めた平木省さんと、沼津市の副市長塚本秀綱さんを選任する人事案を県議会2月定例会の初日に提出することが明らかになりました。

 沼津市によりますと、塚本さんは10日市長に辞表を提出し、市はこれを受理したということです。

沼津市の副市長塚本秀綱さん
沼津市の副市長塚本秀綱さん