観光地熱海に４月から導入される宿泊税　春の行楽シーズンを前に現地の観光客や宿泊施設は…

2025年3月12日水曜 18:56

静岡県内屈指の観光地、熱海では４月から宿泊税の導入が始まります。春の行楽シーズンを前に、現地から聞こえてきた“本音”とは。

観光客　磐田から:
「卒業旅行です。（熱海を）ぶらり観光して、このあと伊豆に泊まりに行く」

観光客　神奈川から:
「おいしいものを食べて、温泉に入りたい」

観光客　東京から
「初島に行きます。海を見たり、探索したり、散歩したりして観光できたら」

観光客　東京から:
「海鮮丼食べました。東京から割と近くて、ちょうどいいと思って来た」

観光客　群馬から
「もう春ですね。暖かいです」

　本格的な春の行楽シーズンを前に、すでに大勢の観光客でにぎわう熱海。

　去年11月にオープンしたこちらの店では、これからの季節にピッタリなスイーツが人気をだといいます。

店「お待たせしました。ミルクと静岡茶のジェラートのクロジェラです」

堀「かわいい。インパクト抜群です。」

　塩を効かせたクロワッサンをコーンに見立て、自家製のジェラートを乗せた“日本初”だという新感覚スイーツ、その名も、「クロジェラ」。

　気になるお味は…。

堀優奈アナウンサー
「クロワッサンとジェラート、一緒にいただきます。ジェラートの滑らかさとクロワッサンのサクサク感。食感の違いが楽しいです。甘じょっぱくてクロワッサンもとてもおいしいです」

観光客　神奈川から
「斬新でおもしろい。きょう暑いので冷たいのがちょうどいい。海で食べたい」

観光客　神奈川から
「とてもおいしいです。暖かかったのでアイス食べたいなと思って。天気が良くて、きょうにしてよかった」

　去年11月のオープンから、初めて迎える春。

　店からは期待の声が・・・。

ジュウゼンベイク　村上怜菜店長
「だんだん暖かくなってきて、食べ歩きのシーズンにもなってくると思うので、たくさんのお客様に熱海に来ていただきたい」

３月に入り、これから書き入れ時を迎えていきます。

　去年の年間宿泊客数はおよそ３０６万人で、コロナ禍前の２０１９年以来、５年ぶりに３００万人を超えました。

　そんな熱海市で、新たに導入されるのが…。

堀優奈アナウンサー:
「熱海市役所に来ています。こちらポスターには「宿泊税のご案内。宿泊者1人1泊につき２００円の宿泊税が課税されます」と書かれています」

　４月１日から導入されるのが、宿泊税です。

　対象は市内の宿泊施設に泊まった人、１人１泊２００円を徴収することになります。

　背景にあるのは、「少子高齢化」です。

熱海市観光建設部　立見修司次長:
「（熱海市は）少子高齢化で非常に人口が減少する中で、市町村の税収も少なくなる。福祉施策や子育て施策に力をいれなきゃならないところから、観光に充てられる予算が限られる。熱海観光を将来に渡って持続可能なものにするために導入をお願いしている」

　現在、熱海市が観光振興に充てている予算は、入湯税や地方税などを財源に、年間４億円ほど。

　宿泊税の導入によって、１年で６億円ほどの増収となる見込みで、熱海市は新たな観光名所づくりや道路整備などに活用し、観光客に還元したい考えです。

熱海市観光建設部　立見修司次長:
「協力いただいた宿泊税を街に投資して、次来た時に必ず熱海が良くなったと思っていただけるような街づくりに使っていきたい」

　１泊２００円でスタートする税額は、３年から５年をめどに見直していくとしています。

　宿泊税の導入に観光客からは…。

観光客　神奈川から:
「２０００円だったら嫌だが、２００円だったらまあいいかな」

観光客　東京から:
「２００円だとそんなに大きな額じゃない思うので、熱海の観光を盛り上げるために使うならすごくいいと思う」

観光客　群馬から
「熱海市が潤って（観光振興に）利用してもらえるのであれば、私は全然ＯＫ」

　観光客からは前向きな声が聞かれました。

　一方で、実際に宿泊料金に２００円を上乗せすることになるのが市内の宿泊施設です。

味と湯の宿ニューとみよし　富岡篤美社長:
「いよいよ新年度から宿泊税をお客様からいただくという大変責任の重い営業になる」

　去年、新館をオープンさせるなど、設備投資にも力を入れているこちらのホテル。

　宿泊税の導入を決めた市の対応に、理解を示しています。

味と湯の宿ニューとみよし　富岡篤美社長:
「多様なニーズに応えるには先に投資して整備していかないと、お客に満足感を与えることができない。いただいた以上に街が良くなる、来ていただいて満足度が高くなることを目指した方がこれからの観光地はいいと思う」

　年明けからホームページや予約サイトなどで宿泊税の周知を行っていますが、４月からの予約に影響は出ていないということです。

味と湯の宿ニューとみよし　富岡篤美社長:
「いただくものはいただくが、倍返しだと。宿泊税を有効に使ってさらにグレードアップしたクオリティの高い観光地になってほしい」

宿泊税の導入によって、熱海の観光はどう変化していくのでしょうか…。