日本初!ウナギの養殖に新たな技術が コスト削減や後継者不足の改善につながるか 浜松市

これまでただ放出されていた「熱」を使ってウナギを養殖するプロジェクトが浜松市で始まりました。日本初の新たな取り組みとはいったい?
浜松の名物、ウナギ。ふっくらして香ばしい身と伝統的なタレがよく絡んだウナギは人気の一品です。
しかし、高くてなかなか手が届かないのも事実。
その背景にあるのは「生産コスト」です。
ウナギの養殖は細菌が発生しないよう「水質管理」を徹底しなければならず、かなりの労力・時間・コストがかかります。
下水処理施設で
そんな課題を解決しようと、日本で初めての方法でウナギを育てるプロジェクトが動き出しました。
浜松ウォーターシンフォニー中村匡志COO
「こちらの水槽には約55匹のウナギが入っている」
実はウナギを養殖するこの水槽があるのは浜松市の下水処理施設です。
浜松ウォーターシンフォニー中村匡志COO
「新たな養殖技術を確立することにより、地域への貢献を一つ大きな目標として掲げている」
こうして企業と自治体漁協組合が協力し、実証実験を始めました。
下水処理の工程で焼却炉から発生する余熱を利用。
その熱で温めた水をウナギが入った水槽にかけ流します。
これまでウナギの養殖は大量の電気を消費する化石燃料に依存してきました。
浜名湖養魚漁業協同組合 徳増源登さん
「半世紀以上 化石燃料主に重油に頼った養殖をしてきた。今後はそれに代わるエネルギーを視野に入れながら養殖技術の確立を目指していきたい」
余熱の利用で燃料費が抑えられることに加えて、自動制御で水温を管理することで労力の軽減にもつながるとみています。

ほかの魚の養殖にも
浜名湖養魚漁業協同組合 徳増源登さん
「生き物を相手にすることから、休みがなかなか取れないという後継者不足等々悩まされているところ。スマート漁業を取り入れて、よりリスクを減らした養殖技術の
確立を目指していかなければならない」
今後この技術はウナギだけでなく他の魚の養殖への展開も検討されています。
浜松ウォーターシンフォニー中村匡志COO
「日本国内においては約2000カ所の下水処理場があり、今回こういった技術が確立できれば他の下水処理場で他の魚種で実施するということも十分可能な技術と考えている」
ウナギの養殖の実証実験は2028年3月まで行い育ち方や費用を検証していくということです。
