変わる水泳の授業~猛暑の影響やプール施設の老朽化、教師の負担軽減から小学校の水泳授業を民間委託へ 静岡・沼津市

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教育現場を巡る問題が深刻化する今、小学校の水泳の授業が変わりつつあります。場所は学校ではありません。その理由とは。

「バタ足」

児童は:
「泳ぐのが楽しい!」

板垣亮記者:
「こちらで行われている小学校の水泳の授業なんですが、学校のプールではなく、スポーツジムのプールで行われています」

 沼津市でスタートしているのは、水泳授業の民間委託です。

インストラクター:
「目はおへそ。お顔を入れて壁蹴ります。できる人?(はーい)かっこいい所見せるよ!」

 この日は大岡南小の3年生がプロのインストラクターから指導を受けました。

児童は:
「頑張った。コーチの話を聞いて頑張った」

児童は:
「習い事とかで行っている子もいるけど、授業で行くのも楽しい」

教師は

 一方、学校の先生はというと…。

 児童への声かけや評価作業に専念したり、一緒に指導にあたったりしています。

体育主任の先生:
「すごいきめ細やかな専門的な指導をしてくれるので、子どもたちにとってすごくありがたいです」

市が民間委託を進める背景には、教育の質の向上だけでなく別の理由も。

体育主任の先生:
「以前までは自分がプール管理、水質管理とか安全管理を
賄ってたんですが、そういうものが外部委託によって我々無くなったので、非常に負担軽減になっています」

体育主任の先生
体育主任の先生

老朽化が

沼津市立大岡南小学校 中野雄二校長:
「かなり古いんですけれども、本校は昭和57年にこのプールができまして、42年経っております」

板垣亮記者:
「老朽化が目立ちますね」

沼津市立大岡南小学校 中野雄二校長:
「至るところ、本当に古くなっています」

 飛び込み台にはひび割れがあり、プールサイドの路面も
デコボコになっているなど、老朽化が深刻です。

 市内には築60年以上のプールもあり、この学校のプールでさえ「新しい方」に入るといいます。

 建て替えにはおよそ2億5000万円がかかる見込みです。

 市は市内23校のうち14校の民間委託の費用として、
今年度およそ5100万円を計上。

 2つの民間プールに委託しました。

 維持管理費も含めると、民間委託の方がコストを抑えられると見込んでいます。

沼津市立大岡南小学校のプール
沼津市立大岡南小学校のプール

酷暑のリスクも

 また、気候変動を巡る教育現場のリスクも。

沼津市立大岡南小学校 中野雄二校長:
「酷暑だとプールサイドで待ってる子たちが足が低温やけどになったり、熱中症になってしまったりします」

 日差しが照りつけていても、民間施設の屋内プールであれば天候の影響は受けません。

 授業は5月にスタート。

 室温や水温は常に30度前後に保たれ、冬に授業を行うこともあるということです。

児童は:
「あったかいからやりやすい」

 一方で残された課題も。

 民間プールから離れた学校やプールがまだ新しい学校などは、現状委託の対象外です。

 プールの耐用年数は60年と言われていて、今後さらに老朽化の波が押し寄せることが予想されます。

沼津市教育委員会 学校施設課 横山憲利課長補佐:
「さらなる拠点があれば、もっと受け入れのキャパシティが増えるのは間違いないですので、そういったことも新規開拓していきたいなと考えています」

民間施設での水泳授業
民間施設での水泳授業