「崖っぷち」からの再起を図る静岡県埋蔵文化財センターが移転10周年を前に常設展示をリニューアル 集客力アップへ 静岡市・清水区

来館者が少なく「崖っぷち」からの再起を図っている静岡市清水区の静岡県埋蔵文化財センターが9月さらなる進化を遂げ集客力アップをアピールしています。
久須美舞記者
「こちらの施設、魅力の一つが実際に本物の土器を触れることなんです。この縄文土器、厚みがあってずっしりとしています。模様の手触りも楽しむことも出来ます」
常設展示を無料で公開する他、遺跡の発掘調査なども行われている
静岡県の埋蔵文化財センター。
実はこの施設…。
静岡県埋蔵文化財センター 横﨑浩一所長
「2、3日人を見ない時もありまして…」
年々来館者が減少する中、2024年12月土器などをミニチュア化したオリジナルのカプセルトイを新たに設置し、再起を図っていました。
静岡県埋蔵文化財センター 横﨑浩一所長
「県外からもお客さんが来てくれるので、感覚的には明らかに増えていると思う」
千葉からの来館者は
あれから9カ月が経ったこの日も来館者の姿が。
千葉から旅行に来た夫婦(男性70代・女性60代)
男性「縄文時代の遺跡を主に見て歩いているんですけど」
Q.全国のこういった所に?
男性「行ってます」
女性「千葉と比較しながら拝見している。千葉は貝塚文化だが、また全然違う。これから縄文(のコーナー)を見るのがちょっと楽しみです」
カプセルトイの効果もあったのか、8月末までの来館者は去年より1000人以上も増加。

以前は間違った説明も
しかし、内部ではこんな声が…
静岡県埋蔵文化財センター 横﨑浩一所長
「職員からも本当は展示で勝負をしたいという話があったので、展示の魅力でお客さんに喜んでもらうというのが本来だと、僕も思っている」
そこで行われたのが…
「リニューアルお疲れ様でした」(くす玉パカリ・拍手)
2026年10月移転から10年を迎えるのを前に掲示物や展示品などをリニューアルしました。
大きく変わったのは廊下や展示室のパネル。
これまでは固定式だったため、内容を変更するにはパネルごと剥がして壁の補修をする必要がありました。
工事にはコストや手間が掛かることから、説明文に最新の学説が反映されずこんな事態も起きていました。
静岡県埋蔵文化財センター 横﨑浩一所長
「例えば旧石器時代にどうやって人が渡ってきたか、日本列島に来たかというような説明を、以前は陸路で渡って来たんですよなんていう説明をしていたが、実はここの担当に言わせると、ここを船か何かで渡ってきたのが静岡県に到達してきた人の始まりだろうという、『ああ、間違った説明をしていたんだ』と…」

リニューアル完成
しかし2月、費用をおよそ180万円に押さえ、工事に踏み切りました。
工事後は、白いボードに磁石付きパネルを自由に貼り付けられるように。
パネルには最新の学説を反映させ、わかりやすく充実した内容になりました。
静岡県埋蔵文化財センター 横﨑浩一所長
「静岡県の特徴を入れるべきではないかということで、各時代とも静岡県の状況を入れるようにした」
展示品もパワーアップ。
これまで施設内で眠っていた出土品を新たに追加した他、カプセルトイの商品となった石のペンダントもショーケースに入れられ、特別仕様に。
また、リピーターを増やす取り組みとして企画展コーナーも新設しました。
今後、年に3回程度衣食住の移り変わりなどをテーマとした展示を行う予定です。
静岡県埋蔵文化財センター 横﨑浩一所長
「いくらでも改善とかアレンジとか発展させていくことができる展示室になったと思う。だから今後がすごく楽しみ」
