食器やベット、消防車や救急車も 何でもある? 掘り出し物がいっぱいの官公庁オークション
静岡市は不用となった市の物品を売却する、インターネットオークションをほぼ毎年実施しています。今回のオークションには過去最多となる193件が出品されています。一般にはあまりなじみがありませんが、掘り出し物がありそうな市のオークション。記者も参加してみました。(取材・文=三浦徹)
静岡市のインターネットオークションは、市役所や市が管理する施設で不用になった物品をオークションで売却するものです。
毎年ほぼ実施されていますが、去年は実施されなかったため今回は2年ぶりとなります。今回は過去最多の193件がエントリーしています。なぜオークションを実施するのでしょうか?

●静岡市管財課 望月章吾さん:
「市役所には不用品が数多くあります。それらの品は元はみなさまの税金ですので、無料で譲渡するわけにはいきません。また、処分しようとしても費用がかかります。それならば、まだ使えるものも多いので、売却すれば、処分費用を節約でき、市の財源を増やすこともできる。まさに一石二鳥です」
出品されているものはかなりバラエティに富んでいます。食器やソファーなど、市の所有物とは思えないものや、フラスコやメスシリンダーなど、昔理科の授業で耳にした実験器具も。
●静岡市管財課 望月章吾さん:
「市役所の備品だけでなく。静岡市が管理していた生徒が泊まる寄宿舎とかそういったところの備品もあります。ベットや食器はそこで使っていたものです。実験機具は食品衛生課で検査に使っていました。出品するからにはきれいで実際に使えるものでないといけません。その判断は所管の各課に任せています」

昔懐かしい「フロッピーディスク」も出品されています。欲しがる人がいるのでしょうか?
実は一部の会社ではフロッピーディスクがまだ使われているそうです。「使っているのに普通に買うことができない」ということで結構人気だということえす。同様の理由で「ビデオテープ」や「カセットテープ」も人気が高いそうです。

そして今回注目されるのは、初めて自転車が出品されたことです。
●静岡市管財課 望月章吾さん:
「出品されているのは放置自転車として押収したものです。放置自転車は条例で定められた期間を過ぎると、市の持ち物になります。これまでは業者にひきとってもらいましたが、今回試験的に自転車を出品することになりました」
過去には顕微鏡などが人気を集めたというこのオークション。「暴力団員は参加できない」など入札参加資格はありますが、一般的に誰でも参加可能で、業者の参加もOKです。
これまでのオークションでは、すべての物品に応募があるわけではなく、1つの物品に対し、応募は多くても10件程度だったということです。民間のオークションサイトに比べれば、競争相手が少ない印象です。また一発勝負なので、過剰に金額がはね上がることもありません。
インターネットオークションは「KSI官公庁オークション」のサイトを使って行われます。「KSI官公庁オークション」には全国の自治体からの出品がありますが、だれでも参加可能です。つまり、静岡市が出品した物でも、静岡市民以外の人でも入札はできます。ただ落札した商品の輸送は、基本的に落札者の負担になるので、遠方の人が落札するケースは少ないということです。

逆に言えば静岡市民も、他の自治体のオークション参加が可能。サイトを見ると、他の自治体では消防車や救急車なども出品されています。これらの車は他の自治体が落札してそのまま使うケースや、一般の人が落札し、キャンピングカーに改造したりすることもあるそうです。
「KSI官公庁オークション」に会員登録してログインすることが、入札参加の第一歩です。実はこのあともいくつか作業が必要で、やはり民間のオークションサイトに比べれば、官公庁オークションはハードルが高いのかなと思います。
今回は記者も初めてオークションに参加してみることにしました。その詳細につきましてはまた次回お伝えします。(2025年の静岡市のオークションは締め切られています)
