無罪が確定した袴田巌さんの弁護団が国と静岡県に対し6億円の支払いを求める国家賠償請求訴訟を静岡地裁に提訴

YouTube Video 無罪が確定した袴田巌さんの弁護団が国と静岡県に対し6億円の支払いを求める国家賠償請求訴訟を静岡地裁に提訴
動画を再生

再審無罪の事件としては過去最高額となります。いわゆる「袴田事件」で無罪が確定した袴田巌さんの弁護団は9日、6億円を求める国家賠償請求訴訟を起こしました。

 袴田巌さん、89歳。

 1966年、旧清水市で一家4人が殺害された事件で逮捕され、その後、死刑囚に。

 48年間拘束され、“死の恐怖”と隣り合わせの日々を余儀なくされました。

「死刑囚ではなくなったことを認識しているんです。」

 そう話すのは、半世紀以上に渡って弟を支え続けてきた姉・ひで子さんです。

袴田ひで子さん(92)7日
「弁護士も一生懸命やってますのでね、国家賠償やらなきゃいかんと思ってる。それにあとに続く人たちの道筋を作らなきゃ。私たちが勝っても負けても、ともかく道筋を作って頑張っていく」

 死刑執行への恐怖は、今も袴田さんを苦しめています。

白鳥衛記者
「袴田さんの無罪確定から1年のきょう、弁護団らが国家賠償請求訴訟を起こすため静岡地裁に入ります」

 えん罪の責任を問う、国家賠償請求訴訟。

 袴田さんの弁護団は9日国と静岡県を相手に6億840万円を求める訴訟を起こしました。

 再審無罪事件の請求額としては、過去最高です。

袴田弁護団 小川秀世主任弁護人
「結局、無罪判決は、この事件がどうして起きて、何が原因で、そしてこれからどうするのかというところを全く明らかにしていないじゃないですか。そういうことを今回の訴訟ではっきりと訴えなきゃいけないと思っています」

 弁護団は違法な捜査と取り調べ、証拠の捏造(ねつぞう)、判決における重大な過失など、捜査機関や裁判所に5つの違法があったと主張しています。

 提訴を受けて、静岡県警は「訴状内容を検討した上で、適切に対応していきたいと考えている」。

 静岡地検は「訴状が届いておらずコメントすることはありません」としています。

袴田弁護団 小川秀世主任弁護人
袴田弁護団 小川秀世主任弁護人