豊漁と言われていた秋の味覚「サンマ」に異変! サイズが大きく脂も乗っていたサンマが小ぶりになってきた

今年は豊漁と言われていた秋の味覚の「サンマ」。ただ、シーズン終盤を目前にしたいま、異変が起きています。
白い煙とともに広がる香ばしい香り。炭火で焼かれたサンマは、皮がパリッと、身はふっくらと仕上がっています。
近年、不漁が続いていたサンマですが。今シーズンは“奇跡のサンマ”と呼ばれるほどの豊漁に。ここ数年で、一番サイズが大きく、脂も乗っていたサンマは、1カ月前の静岡市中央卸市場でも大量のケースが積み上がっていました。
●植田結衣子アナウンサー:
「ことしは豊漁と言われているサンマ。サイズが大きく、値段も安くなっていましたがいま、どうなっているのでしょうか?」
●卸売業者 三共水産 伊藤浩也課長:
植田)午前3時半を過ぎて、すでにこちらにサンマと書かれたケースが並んでいますが、きょうはどれくらい入っている?
伊藤さん)これ4kg入るが、この箱が300~400ケースぐらい
植田)1カ月前は?
伊藤さん)1000ケースあった。きょうは3分の1くらい
豊漁から一転、シーズン終盤を前に起きたある異変。
●卸売業者 三共水産 伊藤浩也課長:
「9月の下旬から少しサイズが落ちてきた。脂の乗りもやや落ちて来た。もう奇跡のサンマではないような気がする」
10月に入り減少しているのが、大きいサイズのサンマです。
実際、9月取材した時のサンマと比較してみると、一目瞭然。9月のサンマは丸みを帯びて高さがあるのに対して、現在のサンマは真っすぐで高さがありません。
漁獲される半分以上が冷凍や加工食品などに使用される小ぶりのものになっていて、仕入れ価格も先月より3割程度上がっているといいます。
影響はスーパーでも・・・。
●植田アナ:
「こちらにサンマが売られていますが、税込み一尾214円となっています。」
●客 (70代女性):
「あまりにも小さいのでびっくりしちゃった」
●客(60代女性):
「もう少し大きい方がいいかな」
こちらでは、仕入れ価格が安くサイズも大きかった9月はサンマを一尾150円ほどで販売していましたが、いまでは小ぶりのものでも価格を値上げ。
例年の1.5倍と“サンマ特需”となっていた売上も今では下火(したび)となっています。
●田子重セナ店 簾野泰博店長代理:
「仕入れ値自体も2~3割は原価として上がっている。スーパーで売るような大きいサイズが獲れなくてお客さんも値段が高いと手に取りにくい状況になって、売り上げも下がってきている」
豊漁から一転、再び値上がったサンマ。専門家は、サンマの回遊ルートが例年より南下していたことが9月の漁獲量の増加につながっていたと指摘します。
●国立研究開発法人 水産研究・教育機構 冨士泰期主任研究員:
「(ピーク時に比べると)まだまだ非常に少ない水準ですので、そういう意味では豊漁とは言えないと思います。いろいろ噛み合ってうまく獲れたというのがここまでの経過かなと」
