地元からは怒りの声…浜岡原発再稼働に向けた審査で不適切なデータ 政府も「あってはならない」 静岡・御前崎市
静岡県御前崎市にある、中部電力の浜岡原発。再稼働に向けての審査が進む中、信頼を揺るがす事態が…。
嶋田光希アナウンサー:「私の後ろに見えるのが御前崎市にある浜岡原発です。全ての原子炉が停止して今年で15年。再稼働に向けた審査の中で浮上した疑惑によって、その停止期間がさらに伸びることは確実です」
中部電力 林欣吾社長:「心より深くお詫び申し上げます。本当に申し訳ございませんでした」
きのう5日、緊急会見を開き、深々と謝罪した中部電力の経営トップ。
中部電力 林欣吾社長:「この度、浜岡原子力発電所の新規制基準適合性審査における基準地震動の策定に関して、不適切な取り扱いをしていた疑いがあることが確認されました。当社の原子力事業に対する信頼を失墜させ、事業の根幹を揺るがしかねない事案であると極めて深刻に受け止めております」
今回明らかになったのは、再稼働を目指す浜岡原発3・4号機をめぐる“疑惑”です。耐震設計の目安になる「基準地震動」について、原子力規制委員会への説明とは異なり、揺れを過小評価するデータを“意図的”に選んでいた疑いがあるといいます。
担当部署の数人が関与していたとみられ、2025年10月、「基準地震動」の根拠となる資料の提示を求められことを受けて、社内調査を実施したところ、事案が発覚したということです。
浜岡原発をめぐっては、2カ月前に工事契約をめぐる不適切事案が発覚したばかりでした。
中部電力 林欣吾社長:「昨年(2025年)11月に公表した不適切な調達案件に続き本事案が発生したことは、浜岡原子力発電所を運営する原子力事業者としての適格性も疑われるものであると痛切に感じております」
政府「あってはならない」
政府も「信頼の確保は大前提」だと、懸念を示しました。
木原稔官房長官:「再稼働を計画するすべての原子力発電所に義務づけられている地震動の策定が、正しい評価に基づくものであることは極めて重要であります。安全性に対する国民の信頼を揺るがしかねないものであり、あってはならないことと認識しています」
中部電力は外部の専門家だけで構成する第三者委員会を設置し、原因の調査や再発防止策の検討を行うとしています。
地元・御前崎市では
嶋田アナ:「再稼働に向けた審査の最中で発生した不適切事案について、御前崎市民はどう感じているのでしょうか」
御前崎市民:「心配だけど、真摯にやっていってもらえたらと思います」
Q.浜岡原発の再稼働には賛成?反対?
A.「いろんな意見があるとは思うんだけど、自分はみんなの安全が確保されて、町のみんなが豊かになるのであれば、再稼働もいいかなという意見です」
御前崎市民:「全部はっきりと市民に伝える義務があると思う。原発はあった方が(地元が)潤うと思うんですけど、そういう隠し事をしなければ、もっと早く動くんじゃないかなと思う」
原子力規制委員会での審査は12月、すでに停止されていて、審査の長期化と再稼働の遅れは避けられない見通しです。
6日午後、会見を開いた御前崎市の下村市長は…。
御前崎市 下村勝市長:「原子力発電が重要であるという認識は今も変わっておりません。ただし、やはり安全性が大前提になりますので、そこが揺らがないことが最も大切な部分だと思っています。今回の事態が技術的にどの程度安全性評価に影響を与えるのかが重要になってくると思いますけど、その点は大変厳しい目で状況を注視していきたいと思っています」
Q.中部電力は4月6日までに再発防止策をまとめる、市民の信頼は取り戻せる?
A.「第三者委員会の中で丁寧な調査を行うということですので、その結果を我々は注目していく。信頼が回復できるかは、その後になります。地域の信頼なくして、やはり再稼働は難しいと思っています」
