「脱川勝」の動きに「財政健全化」も…過去最大規模の予算を県政キャップ久須美舞記者が解説 静岡県

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石田和外アナウンサー:ここからは県政キャップの久須美舞記者とお伝えします。よろしくお願いします。

去年10月、県が“財政危機宣言”に匹敵するとの考えを示してから初めての新年度当初予算案になりました。財政健全化に向けた動きは見られましたか?

久須美舞記者:一般会計の総額は過去最大であるものの、中身を見てみると、財政健全化の工夫が感じられました。

 鈴木知事は去年の夏から、それぞれの部局に事業の見直しや職員の時間外業務削減のための改善を進めるよう指示していました。その結果、義務的経費などを除く政策的な予算規模は今年度に比べて56億円減少したということです。

 また、赤字を補う資金手当債は、2月の補正と合わせて40億円縮減しました。そして財政調整用の基金の残高は54億円から180億円まで回復。つまり政策的な支出と借金を減らした一方で、貯金を積み増したということです。鈴木知事は「財政健全化に向けて一定のスタートが切れた。“合格点”」と評価しました。

石田アナ:事業の見直し以外に県が取り組むことはありますか?

久須美記者:鈴木知事はきょうの会見で、中長期的に“職員数の適正化”を行う方針も示しました。背景には、少子高齢化による人口減少があります。2040年度には知事部局の職員数を今より10%少ない5453人に。加えて、児童や生徒数も減少していくと予想されることから教職員などの人数も段階的に減らすことを目指すとしました。

 人口1万人あたりの職員数で見てみますと、今年度と2040年度はほぼ変わらないため、“職員数が減っても、県民サービスの低下にはつながらない”との考えです。

石田アナ:浜松市長時代に1300億円の市の借金を返済し、1300人の市職員を削減するなど、大胆な「自治体経営」に取り組んだ鈴木知事の色がうかがえますね。

久須美記者:年度が切り替わるにあたり、川勝前知事、肝いりの事業見直しの検討を進める動きもあります。関係者によりますと、川勝前知事がこだわった事業名やキャッチコピーについては、一般的なものに改める方針だということです。例えば、島田市にある「ふじのくに茶の都ミュージアム」は、「ふじのくに」・「都」という言葉が入っていますが、この施設名の変更を検討しています。

 そのほかの事業も内容を見直す方針で、こうした脱川勝の動きも含めて財政健全化に向け大きく舵を切った鈴木知事の手腕が試されます。

 静岡県の鈴木康友知事が県の新年度当初予算案を発表しました。一般会計の総額は1兆4141億円で、過去最大の規模です。

鈴木知事:「『未来を育む両利き予算』とした。財政基盤を強化するとともに、一方で成長投資を行うことによって県の全体を成長させていくという両利き経営のような予算」

 一般会計の総額は過去最大の1兆4141億円で、今年度から418億円の増額となりました。社会保障関係費や給与改定による人件費が増えたことが大きな要因です。

 重点を置く取り組みの1つが、強い経済への投資です。県は新たに「地域未来基金」を創設。成長産業の集積や地場産業の付加価値向上に向けた支援に活用するための積立金として、120億7000万円を投じます。

 さらに「大きな政策転換」を打ち出す観光関連事業には21億6100万円を計上。インバウンド旅行の形態が団体客から個人利用にシフトしていることを受け、付加価値を高めるために宿泊施設や観光施設を改修する助成費が盛り込まれます。県と市町が民間の施設改修に対して補助を出すのは初めてです。

 この他、高校の授業料無償化や小学校への給食費支援に328億3400万円。医師が不足する地域への医師派遣など、偏在解消に関する事業費として40億4900万円を計上します。