工場をイベントに! 「漁業の町」静岡・焼津市でオープンファクトリーがおこなわれるワケ
工場を一般の人に公開するオープンファクトリーというイベントが全国で行われています。「漁業の町」として知られ、あまり工場のイメージがない焼津市でも、3回目となるオープンファクトリーが開催されました。(取材・文=三浦徹)
「ずげえら焼津 オープンファクトリー」は2024年から始まり、今回が3回目です。過去最多となる焼津市内の企業18社が参加しました。なぜこのイベントが行われるようになったのでしょうか? イベントの実行委員長に聞きました。
●㈱吉村 橋本隆生社長:
「中小企業だとあまり知られていなかったりするので、地域の人に会社のことを知ってもらおうとこの取り組みを始めました。地域オープン型のイベントで一企業だけでなく、焼津の会社がタッグを組んで開催しています。この地域も人口流出がはげしいので、東京に出た大学生が就職を考えるときに『地元にいい企業があったよね』って思い出してもらうために、長期的な種まきを行なっています」
焼津市の隣の静岡市では、2023年にひと足先にオープンファクトリーのイベント「ファクハク」をスタートさせました。「すげえら焼津 オープンファクトリー」は「ファクハク」に影響を受け、立ち上げられたということです。工場が多い静岡市と比べて、焼津市は漁業の町という印象ですが、工業もさかんなのでしょうか?
●㈱吉村 橋本隆生社長:
「焼津市内にも工場はたくさんあります。やはり水産業が盛んな地域なので、それに関連する工場が多いのが焼津市の特徴です。水産加工の工場はもちろん、その機械を作っている会社や倉庫を運営している会社などがあります。もちろん当社のようにまったく関係ない会社もあります」
㈱吉村は1932年に創業。お茶などのパッケージを製作する会社です。売り上げの7割がお茶の関連だということです。
「すげえら焼津 オープンファクトリー」が行われたのは3月19日と20日の2日間。記者も㈱吉村の工場見学、ワークショップに参加しました。
㈱吉村のワークショップは19日の午前と午後の2回。参加には事前の予約が必要ですが、参加希望者が多く、あっという間に満員になったということです。午後の部の参加者は10人。春休みということもあり、親子での参加がほとんどでした。
冒頭で、橋本社長から、㈱吉村が何を作っている会社なのか説明があった後、参加者はグラビア印刷の工場を見学。印刷から袋の形になる工程を見学しました。
そして工場を見学したあとはワークショップです。日本ではここでしか作っていないという「リーフティーカップ」を製作します。
●㈱吉村 橋本隆生社長:
「リーフティーカップは紙コップに茶葉とフィルターが入っていて、お湯を注ぐだけでお茶が飲める商品。それを実際に自分たちでつくってみようというワークショップです」
底にお茶っぱが入っている紙コップにフィルムを載せて、ボタンを押すと、リーフティーカップが完成。参加者たちは、自分が製作したカップにシールを貼ったり、絵を描いたりして、世界に一つの自分だけのリーフティカップが完成しました。
最後に、参加者みんなでお茶で乾杯。ワークショップは幕を閉じました。
焼津市のオープンファクトリーは前回はおよそ200人が参加。前回までは集客に苦労したところもあるそうですが、今回は見学の申し込みが殺到。多くの工場が早い段階で満席となりました。
●㈱吉村 橋本隆生社長
「ワークショップへの参加は基本的には全部予約制。去年は直前まで空いていることも多かったのですが、今回は多くのワークショップが早い時期に満員となりました。うれしい誤算です。要望があれば、次回は開催日を増やしたり、1日に行う回数を増やすなどの対応も考えていきたいと思います」