静岡県知事が県政の課題を学生に講義 リニアや大学再編など質問相次ぐ 静岡大学
静岡大学 井柳美紀教授:「特別なゲストにお越しいただいています」
静岡大学の井柳美紀教授が特別講義のオファーをした相手。それは…
静岡県 鈴木康友知事:「静岡県知事の鈴木康友でございます」
8日、およそ200人の大学生を前に教壇に立ったのは鈴木知事。人文社会科学部の授業の一環で、鈴木知事は県の取り組みや課題について、自らが作成した資料をスクリーンに映して説明しました。中でも時間を割いた話題が「財政危機」と「人口減少」についてです。
鈴木知事:「人口が減っても活力のある地域をつくっていくか、あるいは社会システムがちゃんと維持できるようにサステナブル(=持続可能)な状況をいかにつくっていくか」
財政については、国の予算を示し、年々増え続ける国債残高に危機感を示しました。
鈴木知事:「国債の累積額は、今1140兆円ぐらい。財政規律をちゃんとしなければいけないという話になってくると、方法は2つしかない。増税か歳出の切り詰めか。社会保障と地方関係、自治体関係費、ここを削るしかないということになる。これは両方とも非常に自治体の財政に非常に大きな影響を及ぼす。静岡県がちゃんと持続可能な県政運営ができるように、今からしっかりとした財政基盤をつくらなければいけない」
行財政改革について
学生にも知事の“行財政改革”は新鮮に映っているようです。
Q.国会とかの話では、どちらかと言うと増税に傾くというか、あまり切り詰めの話を聞かない。
鈴木知事「だよね。国会でなかなか財政の議論が進まない。私も国会議員5年やっていましたから、本当にその通り。でも、浜松市長になったら、やればやるほど結果が出る。ここに僕は現実の政治とか自治体経営があると」
浜松市長時代、市の借金を1300億円返済した鈴木知事。2024年度末で1兆6200億円となっている県の借金=県債残高を10年間で1000億円減らすとして、知事公舎の売却などに着手しました。
鈴木知事:「そういう点ではやりがいがあったので、私はものすごく感謝している。二度と国会に戻るという気はない」
リニアのメリットは
年内に静岡工区に着工する可能性が浮上するリニアについての質問も。
Q.メリットよりもデメリットの方が大きいと私は感じていて、静岡に対する経済的利益が出るという主張があるのですが、そこがよくわからなくて、知事はどうお考えなのかなと。
鈴木知事「静岡もそうだが、ひかり1本こだま1本、基本的にそれしか止まらない。もしリニアができて、のぞみを吸収してくれたら、東海道新幹線のダイヤがスカスカになるので、当然JR東海としてはこっちも稼がなければいけないので、ひかりやこだまの数を増やす。私はすごく大きなメリットだと思う」
静岡大学と浜松医科大学の統合再編問題
7年前に合意をしたものの、統合再編に向けた動きが停滞している静岡大学と浜松医科大学の今後の議論についても、学生の関心があるようです。
Q.今、静岡大学がだいぶ揉めていると思うが、知事は浜松市長で、浜松政財界の動きが大変詳しいと思うので、静岡大学は学長が静岡出身で、やはり静岡に恨みつらみではないが…(構内笑い)
鈴木知事「まずその発想から抜け出さなければいけないと思う。これから医学部というのも医者を育てるだけではなくて、新しい生物医学の領域で今どんどん新しいスタートアップが出てきて、これからは医工連携というのは圧倒的に必要になってくるということ。国際競争に勝っていくためには、そういうとがった仕組みをどんどん生み出していかないと」
およそ90分間の講義を終えた鈴木知事。最後は学生にエールを送りました。
鈴木知事:「『後生畏る(おそる)べし』という言葉大好き。若い人たちの可能性と無限の広がりを持っていて、皆さんにも可能性をものすごく期待したいと思うので、ぜひ大きな夢を持って頑張ってもらいたい」
学生:「普段ニュースでしか見ることのない知事に対して、学生が様々な疑問や意見をぶつけることで、より県政に対する理解が深まったのではないかと思う」
静岡県 鈴木康友知事:「直接いろんな話をさせてもらうのはすごく大事なことだと思う。自分にとっても、大きな刺激や励みになるので良かった」