4年ぶり「大相撲焼津場所」…静岡県出身の熱海富士、翠富士にファンが質問攻め 「彼女は」「デートするならどこ」

伊地健治アナウンサー:「太鼓の音が聞こえてきました。間もなく巡業が始まります。開場は午前9時なんですが、焼津市総合体育館の前には数百人の相撲ファンであふれかえっています」

4年ぶり「大相撲焼津場所」

 午前9時。焼津市に集まった大勢のファンのお目当ては4年ぶりに開催される「大相撲焼津場所」です。9月場所で優勝争いをした熱海市出身の熱海富士や地元・焼津市出身の翠富士ら108人の力士が参加。会場前は熱気に包まれていました。

焼津市総合体育館

焼津市民
Q.きょうのお目当ては誰?
A.「熱海富士です。もう見るだけで胸がいっぱい」

静岡市民
Q.かけているタオルには何と書かれているんでしょうか?
A.「翠富士です。娘と同じ日に生まれて同い年。ご縁を感じてずっと応援している。正攻法の四つ相撲でいつも感動している」

翠富士と書かれたタオル

伊地アナ:「力士との距離の近さ。こういったファンサービスも巡業ならではの楽しみの一つなんです」

力士との距離の近さ

 写真撮影に応じる翠富士。そして熱海富士と写真を撮った人は

力士と記念撮影

富士宮市民(熱海富士と写真撮影)
「オーラを感じました かわいかったです」

力がこもった稽古を披露

 体育館の中央に設置された土俵。力士たちは朝稽古に励んでいました。そんな中、ファンが熱い視線を送るのは、やっぱり県内出身の熱海富士や翠富士。

大相撲焼津場所

会場アナウンス:「静岡県焼津市出身、翠富士」

 子どもたちの声援を受け、翠富士もいつも以上に力が入っているようにも見えます。また前頭15枚目の熱海富士も力のこもった稽古を見せます。

 さらに9月場所で優勝争いをした、大関・貴景勝との稽古も‼

 土俵をおりた熱海富士が“先輩”貴景勝のもとに駆け寄り、「ありがとうございました」とお礼を伝える場面もありました。

 その後、稽古を終えた熱海富士と翠富士に会場からは…。

子どもたちの声援:「翠富士・熱海富士~」

 子どもたちの声援に手を振って応えていました。

地元の2力士に多くの声援

地元・翠富士グッズは5分で完売

スタッフ:「数に限りがあります、お早めにどうぞ、いらっしゃい」

 県内力士の人気ぶりはこんな形でも。

客:「翠富士さんはないのね、もう」
スタッフ:「そうなんです」

 会場では相撲グッズの販売が行われていましたが、翠富士のグッズおよそ100個は5分で完売。300個ほどあった熱海富士グッズも1時間経たずに完売してしまったということです。

グッズも販売されていたが、2力士はすぐに完売

子ども力士との稽古も

伊地アナ「子ども力士の稽古が始まりました。熱海富士と翠富士が静岡県内の子ども力士の皆さんと一緒に稽古をしている。ひときわ会場が盛り上がっています。体格が全然違うので見ていてほほえましいです」

 力士たちの熱気を感じた大迫力のぶつかり稽古のあとは、子どもたちが熱海富士と翠富士相手に相撲を取ります。

 次々と熱海富士と翠富士に挑んでいく子どもたち。実はかつて、熱海富士も力士に挑んでいました。

こども力士に胸を貸す

 6年前の大相撲三島場所。このあどけない表情をした少年が、のちの熱海富士となる武井朔太郎くん、14歳です。

14歳の時の熱海富士

熱海富士(当時14歳) :「楽しみ。関取の人と(相撲を)とれる機会はあんまりないんで、本当に大事にしてとっていきたいです」

 力士にぶつかるパワーと物怖じせず立ち向かう姿勢は、中学生離れした迫力で、会場からは拍手が巻き起こっていました。

熱海富士(当時14歳):「自分の当たりが効いてないのかっていうぐらい、本当でっかくて強かったです」

力士にぶつかる14歳の時の熱海富士

 あれから6年。今度は自身が子どもたちの挑戦を受ける立場になりました。

静岡サレジオ中学2年 中村颯斗さん
Q.誰に稽古つけてもらった?
A.「熱海富士関です。テレビで見てるより大きくて、実際やってみると重かった」

Q.大相撲目指しているんですか? 
A.「はい 目指してます」

飛龍高校1年 安岡風琥さん
Q.誰に
A.「翠富士関です」
Q.高校の大先輩ですが、いかがでした
A.「重みが違う。プロってすごいと思った」
Q.どんな力士になりたい?
A.「自分も小さいので、もっと増量して技で勝っていけるような力士になりたい」

 この中から、未来のライバルが誕生するかもしれませんね!

ファンから質問攻めに

 子どもたちに胸を貸したあとはファン待望の質問コーナーです。

Q.彼女はいますか?

熱海富士「どうでしょうね」
翠富士「彼女できたことないので、彼女募集中です」

Q.何を食べたらそんなに大きくなりますか?どんぶり飯でいうと何杯食べますか?

熱海富士「牛丼とかのどんぶりを5~6杯。豆腐とか牛乳とかいっぱい飲みました」

翠富士「ごはんはあんまり食べられないが、イチゴだったら1000個食べます」

Q.趣味は何ですか?
熱海富士「音楽聞いたり 休みの日は部屋にこもっている」
翠富士「熱海富士の部屋に行って一緒にゲームをやっています」

 素直に答えてくれる2人に、ファンによるガチンコの質問が続きます。

Q.静岡でデートならどこに連れて行ってくれる?

熱海富士「地元が熱海なので、花火大会が有名なので、花火が見える海とかでロマンチックにデートしたい」
翠富士「焼津さかなセンターに行って、魚を買って浜当目(焼津の海水浴場)で刺身食べます」

Q.怖いものは?
熱海富士「お化けとバンジージャンプと。最近、親方って言ったらあれだったんで…」
翠富士「親方と幽霊が怖い」

今後の意気込みは

 大相撲9月場所では大活躍を見せた2人。今後の意気込みを語りました。

熱海富士「一番一番勝って、結果につながればいいと思う」

地元2力士が意気込みを

翠富士「9月場所は熱海富士がすごく活躍して、嬉しかったが悔しい気持ちもあったので、自分も熱海富士に負けないように頑張りたい」

初切

 この他にも、巡業でしか味わえない楽しみが。

伊地アナ「地方巡業の中でも人気の時間“初切”がやってきました。相撲の禁じ手を面白おかしく紹介するもの。観客のみなさんからはドッと笑い声が聞こえています」

 土俵で繰り広げられる、やりたい放題の力士たちのパフォーマンスに会場も大盛り上がり、本場所では見られないコミカルな姿を目にすることが出来るのも巡業ならではなんですよね。

初切

熱海富士の高校時代の下宿先の夫婦も

 会場には、熱海富士が高校時代にアルバイトや下宿をしていた三島市の食堂「しんちゃん」のご夫婦の姿が。

光玉母食堂 めし しんちゃん 杉山信二店長:「これだけの人が来て素晴らしい。これだけの大ファンがいる。頑張ってもらいたい。先場所よかったが、それ以上に力を出してほしい」

光玉母食堂 めし しんちゃん 杉山美香 女将:「今も皆さんにインタビューされて、すごいなと思って、あの朔ちゃんが」

下宿先の夫婦も

静岡への思いは

 恩ある方達も見守った中での焼津場所。熱海富士が静岡への思いを語りました。

熱海富士:「皆さん温かく迎え入れてくれてうれしい。自分も熱海という名前がついているが、静岡県なので、静岡の皆さんの応援がすごいし、応援してくださるのが伝わる場所」

Q.熱海富士がかわいいと言う女性が多いが?
A.「それで自分の相撲を見てくださる方が増えればうれしい」

Q.かわいいと言われることについては?
A.「やはり男なので、かっこいい男でいたい」

Q.焼津との関わりはある?
A.「静岡で相撲をやってきたので、焼津のクラブの方や県大会などで会ったり、それ以外にも合同稽古で会う機会があったりして、本当によくしていただいたので、生まれが静岡県なので、自分も盛り上げていきたい」

 翠富士も、県内での思い出を語ってくれました

翠富士:「1000個は言い過ぎた。イチゴは好きです。毎年久能山の山登り行ってからイチゴ狩り。他の巡業よりすごく声援がいつもより多い気がしてうれしい。平日なのにありがたいこと」

Q.地元の中高生に胸を出したがどうだった?
A.「皆強いので、これからどんどん大相撲に入ってきてくれたらうれしい」

翠富士

 そして午後1時30分。ファンたちが待ちに待ったその時が。

アナウンス:「ただいまより関取衆土俵入りであります。熱海富士、静岡県出身、伊勢ヶ濱部屋。翠富士、静岡県出身、伊勢ヶ濱部屋」

 色鮮やかな化粧まわしを締めた力士たちが土俵入り。いよいよ取り組み開始です。

 熱海富士の相手は元大関の朝乃山。上手をとった熱海富士が見事、寄り切りで勝利を収めました。

 続く、翠富士は錦木との取り組みです。身長差をものともせず持ち前のパワーで寄り切りました。

 4年ぶりの開催となった大相撲焼津場所。静岡県出身の熱海富士、翠富士の勝利もあり、会場は大いに盛り上がりを見せました。