清水を契約満了の大久保択生「エスパルスで引退するつもりだったがまだ続けたい」交流会でサポーターに感謝、オファーを待つ
激動の1カ月を過ごした。ベテランゴールキーパー大久保択生(34)は、11月25日と2日、清水エスパルスのゴールキーパーとしてJ1昇格プレーオフ準決勝と決勝のピッチに立って奮闘。決勝では惜しくもドローとなり昇格を逃したが、公式戦出場が5カ月ぶりという試合勘のなさはまったく感じられず、安定したパフォーマンスを見せた大久保。
それからまもなくして、大久保のもとに電話が入る。「シーズン中からうすうす感じていました」と、その予感は的中。その後クラブハウスを訪れると清水から契約満了を告げられた。プロ生活の中でもっとも長い4年半を過ごしたクラブからの“戦力外通告”は、昇格プレーオフで2試合ピッチに立ったこともあってより悔しさを増大させた。「いつからかエスパルスで引退することを考えていた。クラブには引退後のポスト用意してくださいねって(笑)それでも今年の夏くらいからはまだ試合に出たいという気持ちが強くなった」と大久保。6日に契約満了の発表がされてからは代理人とコンタクトをとっているが、まだオファーはないという。いまは静岡に残り、愛犬のゴールデンレトリバーとの散歩のほか、高校の練習に交ぜてもらいコンディションの維持に努めている。
冬の寒さが到来した20日、大久保の姿は静岡市の飲食店にあった。サポーターに直接感謝を伝えたいと、交流会が開かれたのだ。きっかけは清水OBであり、大久保と鳥栖でチームメートだった岩下敬輔さん。「契約満了になってから直接サポーターにお礼が言える場面がない」と相談したところ、瞬く間に企画が実現した。
一部と二部で50人以上のサポーターがかけつけ、県外や千葉時代から応援しているという人も参加。大久保は各テーブルに座って会話をしたり、サインや写真撮影に応じ、着用したグッズが当たる抽選会もあってイベントは大成功に終わった。「たくさんの人に来ていただいて、ちょっと驚いている部分もありましたけど、岩下さんのおかげでいい会ができました。こういう機会は大事、感謝です」と、大久保。また、愛する清水への思いも語った。「エスパルスが大好きになった。どこにいくかわからないですけど、もしかしたら敵のゴールキーパーとして立っているかもしれないし、昇格を邪魔する立場になるかもしれない。一サポーターになるが、エスパルスはJ2にいちゃいけないと思うので、来年本当に上がって欲しい」