ジュビロ磐田に続き清水エスパルスもJ2降格…静岡からJ1の灯が消える 静岡勢低迷の要因は?

 J1リーグ最終節で清水エスパルスはコンサドーレ札幌に敗れJ2への降格が決まりました。ジュビロ磐田の降格も決まっていて来季はJ1から静岡勢が消えます。

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ジュビロ磐田に続き清水エスパルスもJ2降格…静岡からJ1の灯が消える 静岡勢低迷の要因は?

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明治安田生命J1リーグの最終戦、エスパルスはアウェーでコンサドーレ札幌と対戦。

 静岡市の東静岡駅前では、今シーズン初めてパブリックビューイングが行われ、多くのサポーターが駆け付けました。

 残留には勝利が絶対条件ですが、前半終了間際に先制を許し、苦しい展開に。

 それでも後半開始直後、札幌のクリアボールを、チアゴ・サンタナがダイレクトボレー!
 
 シーズン14点目で反撃の狼煙(のろし)を上げると、その2分後、細かくパスをつなぎ、最後は抜け出した白崎(しらさき)!

 エスパルスが立て続けにゴールを奪い、逆転。

 その後、1点ずつ取り合い、3対2とリードして、終盤を迎えます。
 
 しかし、後半41分、そしてアディショナルタイムと、立て続けに失点。

 逆転を許し、そのまま3対4で試合終了。

 生き残りを懸けた正念場でも、今シーズンを象徴するような終盤の弱さを露呈。2015年以来、2度目のJ2降格が決まりました。

清水エスパルス 権田修一選手:
「まずはエスパルスに関わる全ての方に申し訳ない気持ちです。最終的に後ろで僕が食い止めればいいんですけど、前線があれだけ点を取ってくれたので、自分自身そこができなかったのがすごく悔しいですし、4失点はゴールキーパーとしてありえないのでそこが悔しい」

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 J2降格にサポーターは…。

サポーター:
「選手はよく頑張ってくれたと思うので、1年でJ1に戻って来たいです」

サポーター:
「当然の結果。得点王を出して(J2に)落ちるチームってまずないだろうし。ロスタイムで9試合か10試合落としているので、あれだけ能力のある選手がいて、なぜ自分たちで(チームを)変えられないのかなと思う」

清水エスパルス監督とキャプテンが静岡市長にシーズン終了報告

7日午後、エスパルスキャプテンの権田修一選手、ゼ・リカルド監督、山室晋也社長が静岡市の田辺信宏市長に、今シーズンの終了報告をしました。

 ゼ・リカルド監督は「努力実らず最後は十分な結果を得ることができなかった。エスパルスが本来いる位置に戻るにはさらなる努力が必要」と話しました。

画像: 清水エスパルス監督とキャプテンが静岡市長にシーズン終了報告

権田修一選手:
「今の自分たちの成績には情けなさを感じています。静岡がサッカー王国じゃなくなってしまっている現状がある。町がサッカーで活気づく。そんな町にできたらいいと思う」

田辺信宏市長:
「残念です。悔しいです。でもその悔しさを一番感じているのは選手たちだと思います。悔しさを私たちは分かち合いたいと思います」

J2降格のジュビロ磐田は監督退任。社長も辞任。

画像: J2降格のジュビロ磐田は監督退任。社長も辞任。

 一方ジュビロ磐田も前節にJ2降格が確定しています。
 
 6日は渋谷洋樹監督の退任を発表しました。

 渋谷監督は8月伊藤彰前監督の解任を受けてヘッドコーチから監督に就任。

 チームの立て直しに着手しましたが1シーズンでのJ2降格となりました。

 ジュビロは小野勝社長の辞任も発表。新体制でのクラブ立て直しが急がれます。

静岡勢低迷の要因は?

 クラブ創設からおよそ30年両チームを取材しているスポーツライターの望月文夫氏は静岡勢低迷の要因をこう分析します。

画像: 静岡勢低迷の要因は?

望月文夫氏:
「ショックは大きいけど突然来たものではないということも言える。今静岡のチームは若い選手が育っていない。新しくすごい選手たちが入ってきている。ところが、育たない。育たない要因もはっきりしている。使う余裕がない。ところが皮肉なことに、外に出ていくと活躍する。使ってもらえるという機会がある」

 過去10年の成績を振り返ると、エスパルスジュビロともにJ1残留争いやJ2降格を繰り返し、J1での一桁順位はエスパルスが2回、ジュビロは1回だけです。

 この10年で指揮を取った監督はエスパルスが12人、ジュビロは10人に上ります。

 こうした状況を生んだのはクラブの姿勢にも問題があると指摘します。

望月文夫氏:
「少しダメだったら(監督を)代えなきゃいけない。そこで監督を代えていくんですが、代えるときに一貫性がない。両チームとも場当たり的な状況。この人が空いているとか、この人連れてきたら人気が衰えないとか、短絡的な理由で監督を決めていく。結果を出しづらいに決まっている」

 それでも望月さんはこの状況を前向きに捉えています。

望月文夫氏:
「今回J2で戦うことはチャンス。J1より楽と言ったら申し訳ないが、相当難しいシーズンにはなるが、上位にいれば多少終盤に3対0や2対0の状況になれば、若い選手を使う機会がいっぱい出る。そこで若い選手が鍛えられていけば、静岡イズム、チームイズムで継承されていくという強みを感じる」