800円台でホテルシェフの味を楽しめるフードコート「改装後にはホテルで味わって」 静岡・磐田市
ホテルのシェフ達がフードコートに
サクサクの衣をまとったエビの天ぷらが3本。加えて、カボチャにナスにシシトウも。ごはんとよく合うタレをかけたら伝統レシピで作る天丼の完成です。こちら、磐田グランドホテルの人気メニューです。ホテルの天丼というと、何となく、お高そうなイメージ…。そんなホテルの味を楽しめる、ある場所が登場しました。磐田市内のショッピングセンター。そのフードコートにオープンしたのが、「磐田グランドホテルアピタ店」です。調理するのはもちろんホテルのレストランで腕を振るってきたシェフたち。フレンチが専門で和洋中すべての料理を監督する山崎大樹総料理長(73)もフードコートのキッチンに立ちます。しかしなぜ、ホテルの料理長がフードコートに…。
磐田グランドホテル
山崎大樹総料理長:「グランドホテルが新しいホテルに変わるために2年間、スタッフの働く場所、またお客様にホテルの味を召し上がっていただくために、お店を出させていただきました」
1997年に開業した磐田グランドホテル。これまで温泉をはじめ大規模な宴会場を備えたホテルとして地元でも親しまれてきました。しかし、老朽化などの影響で、2024年のリニューアルオープンを目指して現在は建て替え工事の真っ只中です。その間を有効活用するため出店を決めたのが、このフードコートでした。
山崎大樹総料理長:「今までこういう店舗で経験したことがないです。いい勉強して、新しいホテルができたときに参考になるように、今スタッフが一生懸命頑張っているところです」
800円台で楽しめるホテルの味、天かすの無料サービスも
メニューは天丼のほかカツ丼とスパイシータイカレー、それにポークカツ黒カレーの4種類。テイクアウトもでき、値段はどれも800円台とお手頃です。
客:「辛いかと思ったらちょうど良い辛さでおいしかった。肉も柔らかくておいしかったです」「味良かった。あまり辛くなくて。この前1階で広告を見てから来てみたいと思ったので、よかったです」「すごくカリっとしていておいしいなあと思っています。やっぱり、グランドホテルをここに残していただきたいなという気持ちだったので良かった」
さらに、ホテルらしからぬおもてなしの数々が…。机の上には袋詰めされた天かす。ホテルでは 廃棄されていた天かすもフードコートでは無料で配っています。そんなフードコートとホテルの出会いはまさに「近所付き合い」のようなものでした。
アピタ磐田店テナント担当
飯田哲也さん:「ホテルが少し休業するということで、飲食店を探していらっしゃったので、私どものフードコートが空いていたのでお願いしたところ、出店に至った。磐田を元気づける、磐田を活気づけるという意味でお互い(思いが)一致したことが一番かと思います」
「ホテルの味をフードコートで」、それが「まちを活気づけること」につながれば…。先を見据えた取り組みは続きます。
山崎大樹総料理長:「ホテルの味をお客さんに召し上がっていただきたい。それで2年後に新しい磐田グランドホテルができますが、そこにまたお客様に来ていただきたい」