12月も記録的な『値上げラッシュ』続く…スーパーでも切実な声 クリスマスケーキはもう大変 静岡 

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 12月も値上げが続いていて、今年は記録的な値上げの年になっています。スーパーの対策、そして師走に忙しくなる洋菓子店を取材しました。

堀優奈アナウンサー:「静岡市内のスーパーに来ています。今年は値上げラッシュの年となりましたが、12月もバターなどの乳製品を各メーカーが値上げしています」

スーパーでは「去年と同じ量買っても1000円高い」

 民間の調査会社「帝国データバンク」によると、12月は生乳の取引価格の引き上げなどでバターや生クリームなどの乳製品を中心に値上げとなり、食品全体の値上げは677品目にのぼっています。

 また、今年1年間に値上げした食品はこれまでに3万2395品目。去年を25.7%上回り、記録的な値上げラッシュになっているのです。

静岡・清水区 ヒバリヤ高部店(11月30日)
客(静岡市内 70代女性):「(バターなどは)普段使うものなので、とても困る。少なく出来ないので、量を。なるべく安いものを探している」

客(静岡市内 70代女性):「やっぱり、(価格が)上がっても買わなければいけないものは、高くても買います」

客(静岡市内 30代男性):「去年と同じ量買っているのに、1000円くらい高いので、それが大変」

12月は677品目の値上げ
12月は677品目の値上げ

救世主は「プライベートブランド商品」

 そんな中、値上げの救世主となるのが、「プライベートブランド商品」。食品スーパーマーケットが加盟する『CGCグループ』が手がけるオリジナル開発商品です。

 この「プライベートブランド」、実は一時的ではあるものの、値上げに”強い”秘密があるようです。

ヒバリヤ営業本部 山岸達也部長:「CGCというブランドは他の原料と違って、何カ月かしっかりストックされているので、やはり他の値上げ幅よりも遅れて値上げの申請が来るので、その間はCGCの商品を買ってもらうと、客もお得かなと感じている」

救世主は「プライベートブランド商品」
救世主は「プライベートブランド商品」

 大量生産で製造コストを抑え、パッケージもシンプルにするなど、価格を抑えた「プライベートブランド」の商品。物価高を乗り切るアイテムの1つとなりそうですが、今後についてはー。

ヒバリヤ営業本部 山岸達也部長:「見通しがつかないというのが現状。ただ、やはり客も防衛反応が働いているということと、メーカーもなるべく客に安く提供できるというのを試行錯誤していると思うので、それをうまく私たちも情報をキャッチしながら、なるべく客の手に取る段階、スーパーで(価格の)高さを感じないように、値打ちになるように努力していかないといけないと思っている」

山岸達也部長
山岸達也部長

どうなるクリスマスケーキ

 クリスマスまで1カ月を切る中、ケーキを売るお店では…。

静岡・葵区 Poron
庄司 匡希オーナーパティシエ:「まあ、はっきり言ってきついですね。今は乳製品とか、外国から来る(小麦)粉とかピューレ類とか」
Q:全体的に?
A.「全部(仕入れ値が)上がっている。あとは包材も上がっているし、もう上がらないものはない」

 静岡市葵区にある洋菓子店「Poron」。この店では今年、クリスマス用に3種類のケーキを用意していて、11月から予約の受け付けを始めています。

静岡・葵区 Poron
静岡・葵区 Poron

堀優奈アナウンサー:「こちらが今年のクリスマスケーキの1つ『いちごショート』です。静岡産のいちごを使用し、北海道産の生クリームで仕上げた王道のクリスマスケーキです。生クリームがたっぷり乗っていて、すごくおいしそうです」

 クリスマスケーキに欠かせないバターや生クリーム。実は、今年4月に値上げが行われていて、バターが450gあたり100~200円の値上げ、生クリームも1リットルあたり100円値上げされました。

 本来なら、この12月にも仕入れ価格が同じ程度上がる予定でしたが、仕入れ業者の配慮で、来月に先延ばしされたといいます。

 しかし、12月は繁忙期。高騰する原材料を多く使用する時期でもあり、クリスマスケーキの価格を上げざるを得ませんでした。

『いちごショート』
『いちごショート』

Poron 庄司匡希オーナーパティシエ:「基本的にうちは少し(価格を)上げているが、ほとんど上げていない。女性の方とか主婦の方は結構シビアで、やはり安い商品に行ってしまうのはしょうがないと思うが、うちはその辺、少しでも値上げを抑えて、利益をほんの少しにしか出来ないが、押さえているというのが現状」

 さらに、今年は心配なことがもう一つ。

Poron 庄司匡希オーナーパティシエ
Q:ケーキには欠かせないイチゴも?
A.「高いですね、今年も。このままクリスマスに向けて、1回本当は(価格が)下がるが、下がらないまま、ずっとそのまま上がっていくのが考えられる」

 今年は、記録的な猛暑の影響でイチゴの苗の作付けが遅れるなど、出荷時期にも影響が出ました。仕入れ価格も、去年は1パック(約18粒)700円~900円でしたが、今年は900円~1000円と高くなっているといいます。

Poron 庄司匡希オーナーパティシエ:「クリスマス、誕生日、その他の祝い事で、客が楽しく、やはりほっぺたがぽろっと落ちるような、そういう和んだ空間を作っていきたいというのが僕たちの使命なので、頑張ってはいます。これから、どんどん底辺まで行ったからこそ、今度ははい上がるしかないので、V字回復とはならないかもしれないが、その波が少しずつ上向きになればいい」

イチゴが高い
イチゴが高い