ラムネがピンチ…ビンやビー玉不足に頭抱えるメーカー 売り上げの4割に上る海外ではペットボトルは不評 静岡
堀優奈アナウンサー:「県内でラムネの製造をする企業にきました。夏になると売り上げが伸びるというラムネですが、今、こちらのラムネめぐって“ある変化”が起きているといいます」
ラムネやサイダーを製造する木村飲料。定番のラムネはもちろん、バナナ味のラムネなど70種類の飲料を製造・販売しています。ただ、その製造過程で今、困った事態が起きているそうです。
木村飲料 木村祥吾常務
Q.こちらはどんな場所ですか?
A.「こちらは、これからラムネを製造するためにビンを仕入れて、一旦置いておく保管の倉庫となる」
Q.今ビンはどんな状況なんですか?
A.「ビンがビンメーカーのほうで生産量がかなり落ちているので、弊社に入ってくるビンも制限がかかっているような状態」
コロナ禍で製造工場の閉鎖相次ぎビンやビー玉が不足
ラムネに必要不可欠といっても過言ではない「ビン」や「ビー玉」。実は今、コロナ禍の影響などで、このビンやビー玉が不足しているといいます。背景にあるのが、コロナ禍でビンを製造する工場の閉鎖が相次いだこと。本来であれば、夏のこの時期はラムネの一番の書き入れ時。ところが…。
木村飲料 木村祥吾常務:「資材が安定していない状況なので、生産量を落として生産をしている。ビー玉も供給量がギリギリの状況。飲み口の部分、樹脂の部分、そこの部分も不足していて、そちらのほうも今後不足してくる」
生産本数の9割を海外に輸出
企業側が頭を抱える理由は「夏の書き入れ時」ということだけではありません。実は今、海外需要も増えているんです。
木村飲料 木村祥吾常務:「売り上げの40%ぐらいが輸出となっているので、そこの部分が作れないとなると、かなり大打撃。本来、作ってほしいという客の需要に対して、供給が追い付いていない状況なので、弊社としてもチャンスロスになるし、現地の客に対しても新しい客に販売できない状況が続いている」
日本食ブームも相まって、日本のラムネは海外で人気となっていて、木村飲料でも、生産本数の9割を海外に輸出しています。こうしたこともあって、全国のラムネのガラスビンの生産量は2014年はおよそ3450万本だったものが、昨年度はおよそ1億1360万本と8年で3倍ほどに拡大しています。
ペットボトルにする予定は
これまでに数多くの“変わり種サイダー”を販売して、全国に静岡の名前を広めてきた木村飲料。ビン不足でラムネを作りたいのに作れない状況が続いていますが、今後は容器を代える可能性もあるのでしょうか。
木村飲料 木村祥吾常務
Q.今後ペットボトルにしていく予定は?
A.「ペットボトルのラムネの選択肢もあるが、ペットボトルだと海外ではあまり好まれない。リサイクルの点でやはり海外ではビンのほうが好まれるので、ビンのラムネを出していきたいということと。あとはペットボトルに比べて賞味期限が長く設定できるので、そういった品質保持の観点からもビンが好まれるので、弊社としてもビンのラムネを作っていきたい」
昔懐かしい「ラムネ」は、この先どうなってしまうのか? 全国ラムネ協会の会長も務める木村飲料の木村社長は…。
全国ラムネ協会 木村英文会長:「ビン、ビー玉、ふたが足りないとかいろいろあるが、全体がバランスよくアップさせて、全体をアップさせる方法で考えている」