「アニメの聖地」あわしまマリンパークが40年の歴史に幕 「ラブライブが好き。行けないまま終わるのはいや」 静岡・沼津市
25日に40年の歴史に幕を下ろした沼津市の「あわしまマリンパーク」。駐車場には「品川」や「群馬」など関東圏だけでなく、「京都」さらには「神戸」まで全国各地からお客さんが訪れました。
堀優奈アナウンサー:「午前9時、あわしまマリンパークチケット売り場です。きょうはあいにくの雨、そして開園まで少し時間があるのですが、ごらんのとおりたくさんの人でにぎわっています。先ほど数えたところ、すでに120人以上の行列が出来ています」
「深夜2時ごろから並んだ。寒いし、雨もここまでひどくなるとは」
25日、最後の営業日を迎えた沼津市のあわしまマリンパーク。各地から来園者が訪れました。
東京都民
Q.何時から並びましたか?
A.「深夜の2時から2時半とかに、この辺について」
Q.6時間近く並んでる?
A.「だいぶ寒いですし、ここまで寒く、雨もここまでひどくなると思ってなかった。ちょっと厳しいですね。もともとアクア(ラブライブ)が好きで、今回最後になってしまうので、行けないまま終わるのはいやだと思って、最後に来てみようと思った」
富士市民:「こどもが小さい時から何回も来ているので、今回で閉園になってしまうということで、寂しくなってしまいますね」
富士市民:「自分の生まれたところの名所がなくなってしまうのは、寂しいと思います」
駿河湾に浮かぶ無人島にある、沼津市のあわしまマリンパーク。海を生かして作られ、園に行くまでに船に乗るのも魅力の一つです。
オープンは1984年 2016年からは「アニメの聖地」に
オープンは今から40年前の1984年。ペンギンたちによる“流しそうめん”ならぬ“流しアジ”のイベントや、イルカやアシカのショーなど、家族連れを中心に賑わい、幼稚園や小学校の遠足の目的地としても親しまれてきました。
2016年以降は、これまでとは違った客層も増えました。沼津市を舞台にしたアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」。「あわしまマリンパーク」をオマージュした施設も登場し、一躍注目スポットになりました。アニメ効果はすさまじく、連日、全国から多くのファンが“聖地巡礼”に訪れる結果に。
ラブライブのファン:「2次元の世界に触れられるというんですか、実際にその世界に入ることはできないですけど、こういうところに来ると、そういう気持ちになれる」
突然の『閉園発表』 別れ惜しむ客が殺到
ところが、1月22日。施設の老朽化などを理由に、突如閉園を発表。これに「あわしまマリンパーク」の往年のファンたちが動きました。
能地優アナウンサー(10日):「午前10時です。あわしまマリンパークへと向かうお客さんで行列ができています。駐車場にもたくさんの車が止まっているのがわかります」
別れを惜しむ人たちで、連日早朝から行列が…。
来場者 千葉から(11日)
Q.何時から?
A.「(前日の)夜11時から車で待っていて、深夜2時から並び始めた」
Q.閉園を聞いて
A.「シンプルに悲しい」
当初の閉園予定日は2月12日でしたが、予想を大幅に上回る来場があったため、急きょ閉園を2週間延期していました。
そして最後の日が…
そして25日。
駐車場には地元・沼津ナンバーだけでなく、多くの県外ナンバーの車が駐車場を埋め尽くしました。臨時駐車場が埋まってしまうほどの来園者に。
すると午前9時過ぎ、予定より早くチケットの販売が開始。9時50分始発の船も予定より早く出航となりました。
堀優奈アナウンサー:「これから船であわしまマリンパークへ向かいます」
あわしまマリンパークへの移動手段は船のみ。25日はあいにくの雨模様となりましたが、85人の定員は満員です。そして乗船してから、およそ3分。「最後の日」を迎える「あわしまマリンパーク」に到着です。
堀優奈アナウンサー:「船に乗って3分ほどで到着しました。みなさんそれぞれの目的地へと足早に向かっています」
多くの人が真っ先に向かったのは…。
堀優奈アナウンサー:「あわしまマリンパークのおみやげショップです。開店して間もないですけども、すでにたくさんの人がいます」
こちらで多くの人が手に取っているのが、前日まで売り切れだったという、アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」とのコラボお菓子でした。最終日に再入荷したということで続々と売れていきます。
堀優奈アナウンサー:「雨も降って寒い中ですが、多くの人でにぎわっています」
最終日はショーだけでなく、展示や体験エリアにも行列ができました。
それぞれの展示が混みあう中、イルカやアシカのショーは毎公演、家族連れで満席に。
堀優奈アナウンサー:「アシカショーのプールに来ています。動物たちのパフォーマンスが見られるのは、きょうが最後。まもなく始まります」
ショーを見ていたお客さんたちも、それぞれに思いがあるようです。
長野県民:「きょうが最後ということで、すごく寂しいですが、また来たいなぁという思いがありつつ、子どもたちにこういう水族館見せられたことがうれしくて、よかったと思います」
大阪府民:「水族館、必ず旅行に行ったときに、必ず行くんですけど、その時に閉園するっていうのを見つけてくれて、でもきょうじゃなくて2週間前だったので行けなかった。改めて調べたら延長してくれるってことで、行くしかないなってなりました、初めて来たけど何回も来たいなって思う水族館」
寒空の下、イルカの公開トレーニングも毎回満席となりました。
三重県民:「やっぱり、いろいろ施設古いとか大変だと思うんですけど、クラウドファンディングとかもやってみえるので、そういうので支援して、また再開してもらえるとうれしいなと思います」
現在、あわしまマリンパークでは、閉園後の動物の餌代などを工面するため、クラウドファンディングを実施。600万円の目標額に対し、すでに730万円を超える支援金が集まっていて、園では3月9日と10日に、支援金を提供した人に向けた「FAINAL PARTY」という入園イベントを企画しています。
25日、40年の歴史に幕を下ろしたあわしまマリンパーク。園側は再出発に向けて調整中だということで、いつかまた、水族館の生き物たちと再会できる日が来るかもしれません。
(2月26日放送)