当たり前の平和を失って2年…「今でも戦争は続いています」 ロシア侵攻2年…浜松市で学ぶウクライナ女性③

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 2022年、ウクライナから浜松に避難してきた4人。日本に来るまで浜松市のことは知らなかったそうです。

ユリヤさん:「浜松は本当に家みたいな感じ。いいところ…フラワーパーク。舘山寺。餃子のレストラン。全部いい。浜松の餃子最高」

ユリヤさん
ユリヤさん

マルハリタさん:「ウクライナには強い敵がいる。「ヴァレニーキ」。餃子みたいだけど、もっとおいしい。ウクライナ人みんなヴァレニーキ大好き。味がいろいろあります。肉とキャベツだけじゃなく、ポテトとか、きのことか、甘い餃子もある。例えばチェリーとかストロベリーとか」

マルハリタさん
マルハリタさん

 小麦粉の皮に具材を包んでゆでるこの料理。具材も味も家庭によって様々、ウクライナのおふくろの味なんだそう。ウクライナも浜松も、ギョーザがソウルフードなんです。

マルハリタさん:「ぜひウクライナに来て、ウクライナの餃子食べてください」

ヴァレニーキ
ヴァレニーキ

それぞれの選択

 4月から4人はそれぞれの道を歩みます。

ヴィーラさん:「あすは不動産に行って、それから就職先の人と会う」

 ヴィーラさんは市内の病院の事務に就職が決まっています。

それぞれの人生
それぞれの人生

マルハリタさん:「遠州信用金庫で働いています」

マルハリタさんは信用金庫でデザインの仕事に。

リアさん:「あと3カ月ほどでウクライナの大学を卒業します。卒論とか書かなければいけないから心の準備してます。その後は日本に住み続けると思う。就職とか、大学とか…」

ユリヤさん:「幼稚園の子が私にくれました」

 プレゼントを身につけるユリヤさん。去年から幼稚園でアルバイトをしています。

ユリヤさん:「8月に帰国します。ウクライナに帰りたい」

 戦禍のウクライナに帰ることを選んだユリヤさん。理由は…。

ユリヤさん:「さみしいからみんなに会いたい」

 日本は好きだけれど、さみしさがつのっていました。

 静岡にいて不安になることがあるそうです。

マルハリタさん:「新聞でいろいろ見る。最初日本に来た時には初めのページにあった。でもいまはあまりない。どこか後ろで小さい」

『今でも戦争は続いています』

 リアさんが伝えたいこと。

リアさん:「『いまもみんなは戦争は続いている?』と聞いてくる。私はよく聞かれる。今でもみんなに言いたい『今でも戦争は続いています』。私たちは戦争の中に住んでいます」

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ヴィーラさんの心の支え

 ヴィーラさんには心の支えがあるそうです。彼女の行く先についていくと…。なんと…、そこは弓道場。

 彼女の腕前は2段。日本に来てから、初段、2段とあげていきました。

ヴィーラさん:「好きなのは精神が集中できること。魅力だと思います。いつかは弓道の先生になりたいので」

ヴィーラさん
ヴィーラさん

 ヴィーラさんの弓道の先生 長谷川さんです。来日当初から、教わっています。

長谷川妙子さん:「若いのと好きというのがあったから覚えることが早くて、だいたい言えばわかるものですから。やる気があるってことですよね、それが一番良かった」

 休憩中、ヴィーラさんは4月からの新生活について師匠たちに相談していました。

ヴィーラさん:「住むかもしれない物件。猫2匹飼って45平方メートルの広さ」

長谷川妙子さん:「猫なんかちゃんと働いてね、頼りないから猫なんて買っちゃあいかん! ダメだ口ばっかりじゃ」

ヴィーラさん:「車は夏ごろ買いたい」

長谷川妙子さん:「考えが甘いんだから。ウクライナと違って、ある程度保険に入ってないと車は乗れない」

ヴィーラさん:「わかります」

先輩:「孫世代の人もいるんで、親元離れているけど多分親よりもうるさい人たちがいるんで。ちょっと遊びに行って夜遅く帰るって言うと、みんなで「早く帰らなきゃダメだ」ってみんなに怒られてる」

長谷川妙子さん:「彼女いい性格ですよ、明るくてね。でも甘えもありますしね。彼女はこれから仕事を日本でするようになって、これ以上に友だちも増えると思うんですよ。日本のね。そうしたらもっと日本が好きになって、もっと一回りも二回りも大きくなることを期待はしてるんですけどね」

長谷川妙子さん
長谷川妙子さん

 弓道の道具袋にみつけたもの。

ヴィーラさん:「この袋の絵を自分で描いた。彼岸花が好きだから」

 絵の隣りに添えられた、言葉。

「戦争なんかに屈しない」、そう思える彼女の言葉が。

「人は矢のように自分の人生の的に飛ぶ」

 ヴィーラさんたちが、当たり前の平和を失って2年が経ちます。

当たり前の平和を失って2年…「今でも戦争は続いています」 ロシア侵攻2年…浜松市で学ぶウクライナ女性③