どうなる?サクラエビの春漁 回復基調にはあるが… 黒潮大蛇行の影響は?

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 春漁がおこなわれているサクラエビ。6月8日には由比桜えび祭りが控える中、漁の現状とは。

 多くの仲買人たちがサクラエビの入ったケースを囲み、入札が行われていく由比漁港。6月5日まで行われる春漁も後半戦。解禁から1カ月が経過したサクラエビ漁は今、どうなっているのでしょうか?

●客(滋賀県から):
「由比のサクラエビっていうと、一度は食べてみたい」

●客(愛媛県から):
「サクラエビ解禁に合わせて来た。初めて生のサクラエビ食べたくて」

 静岡市清水区の由比漁港の近くにある「食事処 開花亭(かいかてい)」。旅館を併設し、駿河湾を見渡せる高台にあるこちらの店では、サクラエビを使った様々なメニューがいただけます。

●食事処 開花亭 望月裕之代表:
「春漁のサクラエビは大きくて、親エビっていう形ではあるんですけれど、順調に大きくなってきているので、食べ応えのあるエビが獲れていると思う」

 開店と同時に、県内外から多くのサクラエビファンが訪れサクラエビをふんだんに使った料理を楽しんでいました。

●客(神奈川から):
妻)「彼がきょう誕生日で」
夫)「これを食べに」
能地)誕生日プレゼント?
妻)「プレゼントというか、誕生日旅行というか」
能地)旅の一番の目的、サクラエビに辿り着きましたが?  
妻)感無量です

 そして、この店自慢の料理が・・・「桜えびづくし御膳」

 釜揚げのサクラエビに、サクラエビの佃煮、伝統漁師料理の「沖あがり鍋」、さらに、サクラエビのかき揚げと、まさにサクラエビづくし!

 多くのファンを持つ“駿河湾の宝石”ですが、今年の春漁はどうなっているのでしょうか。

●県桜えび漁業組合 實石正則 組合長理事:
「水揚げ量は去年と変わらないぐらいなのかなとは思ってますけど、条件的にあまりいい日に出てないので、初日から水温がやや低めに推移している。そういうことを考えればしょうがないのかなと」

 サクラエビは、潮の流れや海水温に影響を受けやすく、2025年は5月に入っても海水温の低い状態が続いているため“大漁”とはなっていないようです。

 2025年春の漁獲量は、12日時点で、およそ207トン。近年に比べれば回復傾向ですが、日によって漁獲量にばらつきがあるのが実態です。

 そこで、由比の漁業関係者は “資源回復”の取り組みを続けています。

●県桜えび漁業組合 實石正則組合長理事:
「網をかける回数を少なくしたり、操業する船の隻数を制限したりしている。この漁業全体がもう潰れてしまう可能性もあるので、それは本当に注意しながらやっている」

 そうした中、先週、気象庁が「2017年8月から過去最長7年9カ月続いていた黒潮大蛇行が終息する兆しがある」と発表しました。

 黒潮の流れは、漁場や海の環境などにも影響を与えるといいますが、サクラエビ漁に影響はないのでしょうか?

●県水産・海洋技術研究所 門奈憲弘 主任研究員:
「サクラエビに関しては、黒潮大蛇行の影響があるのかどうかは、まだはっきり分かっていない。海洋環境というと、もちろん黒潮の影響もそうだが、あとは水温、塩分いろいろ。あとは海の流れ、いろんな要素が複雑に絡み合っている。サクラエビのいろんなことに影響してくる要素はたくさんあるので、そのうちのどれがより影響しているか、そういったところがはっきりはまだわかってない」

 この先、静岡の特産品は再び豊漁となっていくのか? サクラエビの春漁は6月5日まで行われます。

どうなる?サクラエビの春漁 回復基調にはあるが… 黒潮大蛇行の影響は?