空き家を活用して栽培された甘い「サクランボ」で地区を盛り上げたい! 静岡・島田市の男性の挑戦

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 静岡県内でも問題となっている空き家の増加。そんな中、静岡県島田市では”意外な方法”で空き家が活用されています。

 島田市伊久美。山々に囲まれた緑豊かなこの地域には、県内では珍しい、ある果物の農園があります。

◆船引とわ記者:
「真っ赤なさくらんぼがまるで房のようにたくさんついています。つやっつやぷっりぷりで宝石のようですね」

「彦宗園」と名付けられたこの場所で育てられていたのは、サクランボ。通り幅5メートル、奥行き20メートルのビニールハウスが1棟だけある小さな農園です。

◆西野克朗さん(65):
Q:果物育てた経験は?
「ないです」

 そう笑顔で話すのはこの農園のオーナー・西田克朗さん(65)。焼津市に住みながらこの場所でサクランボを育てています。

◆西野克朗さん(65):
「サクランボには魅力があって、甘味もあって子供さんのあれ(人気)がすごくいいからさくらんぼを選びました」

「サクランボ」といえば山形県や北海道など、涼しい地域で育つイメージがありますが、温暖な静岡県でも育てることができるのでしょうか?

◆西野克朗さん(65):
「温暖のサクランボで普通のサクランボは花が咲かないんですよ。その辺で一応温暖のサクランボならどこでも育つっていうことで始めたんです。特徴はね、甘味があってすごい新鮮収穫すぐできるとか。それが魅力ですね」

 西野さんが育てているのは暖地サクランボという品種。文字通り温かいところでよく育つ、日光に強い品種だといいます。

◆船引記者:
「柔らかいです。めちゃくちゃ柔らかくって果汁が溢れます。甘さがとてもあって口の中いっぱいにさくらんぼのジューシーな甘さが広がります」

 小ぶりですが、甘さが凝縮された西野さんのサクランボ。

 ところで、なぜ自宅のある焼津から遠く離れた伊久美地区で育てているのでしょうか。

◆西野克朗さん(65):
「両親がみんな。お父さんが亡くなって空き家になっちゃった」

Q:ここが空き家になったのは
「空き家になったのは(2024去年)8月かな。」

 かつてはこの場所で、両親と暮らしていた西野さん。ところが母親は数年前に、父親も2024年8月に亡くなったことでこの家は空き家となってしまいました。

 最新の統計では29万戸あるという県内の「空き家」。実家をこの1つにさせまいと考えたのが「空き家を使った地域貢献」です。

◆西野克朗さん(65):
「子どもがこの地区にきて楽しくできればなぁと思って。昔は子どもさんたちが大勢いたんですよ。今は全然いないもんで、だからそういうのがあればなぁと思って楽しめるようにやりました」

 最初は趣味で始めたというサクランボ栽培。ただ、1年目は果実が渋くなりすぎ、2年目は暑さの影響で木が病気に。肥料の配合など試行錯誤を繰り返し、迎えた3年目の今年。ようやく満足のいく出来になったといいます。

◆西野克朗さん(65):
「島田市を一応こういう形でこの地区が過疎が進んじゃって、なんかお客さんも全然こないからこういうイベントやってもっともりあげていけたらな。この地区で村おこしみたいなことができればなと考えています」

 空き家を利活用し、人を呼び込む小さな地域貢献。西野さんのサクランボはまもなく最盛期を迎えます。

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