「映画で富士市を応援したい」 富士市を舞台にした映画「世界で一番遠いのは…」が完成 6日から配信開始
富士市を舞台にした映画が完成し、2日、先行上映会が行われました。上映会では地元出身の小林要監督が映画に対する思いを語りました。(取材・文=三浦徹)
映画「世界で一番遠いのは…」は高校の演劇部を舞台にした作品で、すべてのカットを富士市で撮影したということです。この映画の監督を務めたのが富士市出身の小林要さん(69)です。
●小林要監督:
「2018年に富士市で映画を撮ることになっていましたが、企画がなくなってしまいました。その後2024年の1月に女優の本田そらさんを主役に映画を作る話がもちあがり、それなら富士市でやろうということになりました」
2日、富士市のロゼシアターで行われた先行上映会にはおよそ600人が訪れました。もともと収容人数300人の小ホールで行われる予定でしたが、応募者が多かったため、大ホールに変更されたということです。
上映会に先立ち、小林監督と映画に出演した小笠原茉由さん(26)が登壇し、あいさつしました。
●小林要監督あいさつ:
「今まで僕の映画で、1回の上映でこれだけ集まったことがないので、とてもどきどきしています」
●小笠原茉由さんあいさつ:
「本日は足を運んでいただきありがとうございます。素敵な映画になっていると思います」
映画は「ふじのくに田子の浦みなと公園」や閉校した吉原東中学校、新富士駅などで撮影されたということです。

二人に撮影の裏話を聞きました。
●小林要監督:
「2018年に撮るはずだった映画は製紙の話にしようとしていました。今回は26歳の本田そらさんを主役にするので、それにふさわしい物語にしなければいけない。それで高校の演劇部の話に変えました」
今回の映画に大きな役割を果たしたのが、2024年3月に閉校になった吉原東中学校でした。
●小林要監督:
「たまたま吉原東中が閉校になったということをネットで知りました。諸事情で撮影期間が6日しかなかったので、集中的に同じ場所で撮影しなくてはいけないという制約がありました。高校が舞台の映画なので中学校が借りられればそこで集中的に撮影できる。運よくお借りすることができました」
他の撮影場所にこだわりは?
●小林要監督:
「自分は田子の浦地区の出身なので、舞台として使いたかった。みなと公園は子どものころ遊んでいました」
千葉県出身の小笠原さんは富士市に来たことは、ほとんどなかったということです。
●小笠原茉由さん:
「台風の時に一度プライベートできましたが、台風なので景色を見ることもできませんでした。名古屋で仕事をさせていただくことが多いので、新幹線からよく富士山は見ていますが、地上から見たらどんな風に見えるのかなと思っていました」
ーー映画の中で印象的なシーンは?
「私は出ていないシーンですが、潤井川で2人が自転車を押して歩くシーンがあって、その日は富士山がきれいにみえて、普通のまちに急に大きな富士山が出てくるのがすごいインパクトがあってびっくりしました」
今回の撮影には地元の小林監督の友人にも助けられたといいます。
●小林要監督:
「中学校の同級会が2024年の4月にあって、その時に『夏に撮影するから協力してよ』って言って、そこでグループLINEを作りました。映画にスナックが出てくるんですけど、僕の同級生の幼馴染がやっているスナックを借りました。『昭和世代で持っているスナック』という設定だったので、おさななじみにエキストラで何人か来てもらいました」

小林監督に映画に込めた思いを聞きました。
●小林要監督:
「中学校が閉校になったのは人口の減少が原因。富士市全体としても人が少なくなっているのを肌で感じていて、その辺を物語にいれられないかなと思いました。富士市を応援するようなことができたらいい」
映画「世界で一番遠いのは…」は6月6日からアマゾンプライムビデオで配信されます。(映画館での上映予定はなし)
