居酒屋第4世代は「安さで勝負」…こだわりは「客単価2000円」 その安さのヒミツとは 静岡市
止まらない物価高騰。そうした中で今、“あるお店”が注目されているといいます。
客:「こんなに安い店は静岡には多分ない」
担当者:「2000円にこだわっています。まさに薄利多売」
目指すは「地域で一番安く」。静岡でも広がる激安飲食店の正体とは!?
古賀りなアナウンサー:「静岡市内の居酒屋に来ています。店内はほぼ満席、多くのお客さんで賑わっています」

静岡市葵区の「それゆけ!鶏ヤロー」。県内では静岡市と浜松市に店を構える居酒屋チェーンです。実は今、業界の中でも、ひと際異彩を放っているといいいます。その理由とは…。
客(女子大生):「飲み物もご飯も両方安くてめっちゃおいしいです」
客(男性・20代):「から揚げ、もう2個しかないんですけどめちゃくちゃ大きいです」

レモンサワーは55円! ハイボールは109円!
安いのはお酒だけではありません。スパイスで味付けた鶏肉を串に刺して揚げた、名物のスパイシー串は1本109円。握りこぶしほどある大きさのから揚げは1個あたり219円です。数人のグループでテーブルを囲んでも5000円ほど。「財布に優しい居酒屋」として全国各地で勢いを増しているんです。

古賀アナ:「名物のスパイシー串、いただきます。たくさんのっています。噛むたびにジューシーなうまみがジュワっと溢れますね。周りがかなりスパイシーでたまらないです。お隣には55円のレモンサワーがありますので…いただきます。レモンのさわやかな酸味と炭酸の刺激で口の中がすっきりします。これは無限ループが続いちゃいそうです」

止まらない物価高騰の中で今、居酒屋業界は“第4世代”に突入したと言われています。1970年代、「養老乃瀧」「つぼ八」「村さ来」の台頭で大手が運営する居酒屋チェーン店が一気に全国拡大。90年代に入ると「白木屋」「和民」「甘太郎」が幅広いメニューを提供することで人気に。さらに2000年代には「鳥貴族」「磯丸水産」「串カツ田中」が専門的なメニューで支持を集めました。
しかしコロナ禍と物価高によって居酒屋業界は客離れが加速。そうした背景もあって「鶏ヤロー」のような“コスパの良い店”が第4世代として注目されているといいます。

客(男性・40代):「20年前はこんなお店なかった。お得ですね。こんなに安い店は静岡にはない。」
やはり、安さに惹かれるのには懐事情があるようです。
客(男性・40代);「限られたお小遣いの中で何回も行きたいので、一回の金額を抑えれば回数いけるのでありがたいですね」
日本経済新聞社が発表している2025年上期のヒット商品にもリストアップされた居酒屋第4世代。客単価2000円ほどの安さに抑えられる理由とはなんなのでしょうか?
鶏ヤロー 齋藤浩行社長:「仕入れ先を選定したり、モバイルオーダーを使って人件費を削減したり、あとは仕込みですね。極力自分たちで調理してなるべく単価を下げるように努力している」

チェーン店でありながら、提供する料理のほとんどを店内で仕込み、調理することで価格を抑えているといいますが…。
齋藤社長:「(価格は)野菜についてはシビアに気にはしている。(数年前と比べて原価が)野菜は倍ですね。ここ最近は鶏肉、また卵がいま急激に高騰しています」
それでも値段を変えずに、企業努力でまだまだ頑張りたいといいます。
齋藤社長:「よく飲食業界は厳しいって言われるんですけど、お客様にあわせたニーズでやらない限りは商売は続かない、これを念頭に置いて自分たちが変化できるように努力したいと思う」
新たに出てきた“居酒屋第4世代”。今夜も、安くて美味しい宴が開かれるかもしれません。
