小学1年~3年生の通知表廃止 静岡県内初! 掛川市が来年度から実施

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 静岡県掛川市の教育委員会が2025年度から、市内すべての小学校で1年生から3年生の通知表を廃止します。

 この方針は22日オンラインで行われた校長会で、市の教育委員会から各学校へ方針が示され、正式決定しました。

 市教委によりますと、掛川市立21校の1年生から、3年生、あわせておよそ3500人を対象に2026年度から通知表を廃止。さらに4年生についても2027年度から通知表を止めます。

 現在の通知表は各学校ごとにおおむね三段階の評価と短いコメントで構成されています。学校によって表現は異なりますが、「大変よい」「よい」「努力したい」といった表現を用いています。限られた段階評価や数行の文章では、子どもの努力や成長を十分に伝えきれない課題がありました。また、学期末ごとに多くの時間と労力を要し教員の大きな負担になっていることも指摘されています。

 こうした課題を踏まえ、市では教育のデジタル化を進めています。一人1台端末の整備が進み、学習支援アプリに日々の学習データが蓄積されるようになりました。これらのデータを人工知能が分析し児童ごとの得意・不得意をグラフで示す学習支援アプリも活用することが決まりました。

 2026年度からは、通知表の代わりに年2回の三者面談を導入。教員、児童、保護者が一緒に学習の成果や生活の様子を振り返り、必要に応じてこうしたデジタルデータも用いながら、次の目標を具体的に話し合う形に変わります。

●小学生3年生:
「学校の1つの楽しみだったので無くなるのは悲しい」

●小学生3年生:
「成績がよかったら『やった』と思うし、成績がよくなかったらもっと努力しなきゃと思う。そういうのをもっと経験してみたい」

●保護者(母親):
「その評価がすべてではないので(通知表が)、無くなるとノビノビと自分のやりたいことがしっかりできると思うと無くなることは良いこと。」

●保護者(母親):
「(子どもの学校での)様子に関しては人の目とか先生の経験からのアドバイス、評価がほしいけど、点数とか数字で示せる部分はAIで判断してもらった方が公平に判断ができる」

 佐藤嘉晃教育長は「通知表作成にかかる時間を減らし、その分を子どもや保護者と向き合う時間に充てたい」と述べました。

 自治体単位での廃止は県内では初、全国的にも珍しい取り組みでその効果が注目されます。

小学1年~3年生の通知表廃止 静岡県内初! 掛川市が来年度から実施