台風不足が原因!? カメムシ爆増の意外な理由 静岡県で28年ぶり“警報級”の恐れ 柿農家は“悲鳴”「売れなくなる」
家の明かりに無数に群がる「緑の虫」。その姿は、駐輪場にも。店の看板にも。
柿農家:「これが柿を吸ってくぼみにしたり、迷惑極まりない」
静岡県内の柿農家が、今頭を抱えているのが…。
「こっちに来た!来ないで来ないで来ないで来ないで!」
そう、この時期になると大量に現れる、“緑の厄介者”です。
静岡県の研究員:「これが昨晩捕れたカメムシ。おそらく1000以上」
2年前にも県内各地で大量発生したカメムシ。なんと今年はその量を上回っています。一体、何が起きているのでしょうか。
病害虫を調査している研究員は
県内の病害虫を調査している磐田市の施設。
県病害虫防除所 内山徹上席研究員:「こちらが「予察灯」になる。ライトを点けると虫が寄って来るが、それを毎日我々は調査している」
仕掛けられているのが、光で虫をおびき寄せて捕獲する「予察灯」。箱の中に入っている虫の量によって、毎日、どんな害虫がどれだけ発生しているかを調べる機械です。
県病害虫防除所 内山徹上席研究員:「これが昨晩捕れたカメムシの数。これだとおそらく1000(匹)以上は入っていると思う。今年は非常に多い発生状況になっている」
例年この時期になると、街灯や家の周りなどに大量発生するカメムシ。
「うわ、こっちに来た!来ないで来ないで来ないで来ないで!」
県内では2年前にも大量発生しましたが、今年はそれを上回るカメムシが確認されていると言います。
県病害虫防除所 内山徹上席研究員:「8月、9月と調査しているが、山にいるカメムシの数が過去最多の発生量になっているので、それが今後市街地に飛んで来る恐れがある」
カメムシが山の中で主にエサとしているのが、ヒノキの実。県では、このヒノキにどれだけのカメムシが確認できるかを調査していて今年は、枝10本あたりの寄生数が37.5匹と平年の6倍以上となる過去最悪の結果に。通常100本近く枝をつけるヒノキ。100本の木がある場合、そこには4万匹近いカメムシがいるという計算になります。
なぜ今年はカメムシが多いの?
Q.なぜこんなに今年はカメムシが多く発生している?
内山上席研究員:「1つが山のヒノキの実量が非常に多いということ。餌が多ければ多いほどカメムシが山で増える。あとは、春先から気温が高く推移していて、9月になって長雨が続いて、気温が比較的平年並みに落ち着いているが、その気温がカメムシにとって適応になっている」
さらに幼虫は風で木から落ちると死ぬことが多いと言いますが、生息域に強い風をもたらす台風が少なく、生き残りやすい条件がそろったことも影響していると言います。県内では、こうして大量発生したカメムシの被害を受けている場所も…。
頭抱える柿農園は
太田園 太田知宏代表:「いたいた。こちらです」
片寄翔太アナウンサー:「柿の上にカメムシがいますね」
太田園 太田知宏代表:「これが柿を吸って、くぼみにしちゃったり、(実が)小さいと落ちたりする」
堂々と居座ったカメムシが吸っているのは、収穫前の柿。森町で70年以上前から次郎柿を育てるこちらの農園では、出荷を今月末に控える中、大量に飛来するカメムシに頭を悩ませています。
太田園 太田知宏代表:「これが実際(カメムシに)よく吸われた柿」
Q.くぼみや黒い斑点があるのが?
A.「(カメムシが)吸った痕。こういうのがたくさんできると商品としては見栄えも悪いので、価値が下がって売れなくなってしまう」
2年前にもカメムシが大量に発生したというこちらの農園。その時は収穫前の柿、およそ3分の1が傷むなどし、被害額はおよそ150万円にも及びました。今年はまだ、それほど大きな被害は出ていないということですが…。
片寄アナ:「柿農園にカメムシがいるか数分見ていたが、ビニール傘にカメムシが1匹ついています。少し歩いて探すだけで、こういったカメムシを目にするので本当にそれぐらい柿農園にカメムシがいるのが分かる」
取材した日の2日前にも、予防のための薬剤を散布したにも関わらず、園内にはびこるカメムシ。こちらでは薬剤をまく回数を増やすなどの対応を行うものの、数が多すぎるため、完全には防ぎきれないと話します。
太田園 太田知宏代表:「本当に迷惑極まりない。最後の最後でくぼみや落下などを起こす虫なので、本当にいなければどれだけ楽か。その一言に尽きる」
県は農家への被害を少しでも防ぐため、8月から「病害虫発生予察注意報」を発表。農家に対し、早めの対策を呼び掛けています。一方で、依然として山の中での増加が確認されているカメムシ。このまま増殖すれば、警報が出る可能性もあると言います。
県病害虫防除所 内山徹上席研究員:「静岡では過去、警報がかんきつのかいよう病で一度だけ(1998年に)出ているが、それ以降警報は出されていない。カメムシが今後増えてきて、警報が出るということになれば、静岡県の歴史上2回目ということになるので、それくらい危惧される状況」