なぜ今コラボ連発? 天神屋が仕掛ける“静岡の味”拡大戦略に密着 ソウルフード「たぬきむすび」が全国級デビュー
伊地健治アナウンサー:「県内に500店舗以上を展開するコンビニエンスストア、ファミリーマートにやってきました。実はここで静岡にまつわるある商品が販売されています。『大きなおきなおむすび天神屋元祖たぬきむすび』です。そして、まだあるんです。お弁当です。たぬきむすびのご飯がそのままご飯になっているんです」
9月発売されたファミリーマートの新商品。パッケージには、あのローカルチェーン“天神屋”の文字が。天神屋は今、様々な企業とコラボレーション。あの静岡おでんの裏側も…。
伊地アナ「いつも食べ慣れた“たぬきむすび”がお弁当のご飯になってる。」
今話題のコラボ商品。なぜ大手コンビニエンストアとタッグを組んだのか?きょうのニュースの現場は静岡の食文化を支えている天神屋のコラボ戦略に迫ります!
ファミマで“たぬきむすび”なぜ天神屋は次々コラボ!?
伊地アナ:「およそ30ある店舗の中でも、1番大きな路面店がここ、天神屋の曲金店です。入ってみましょう」
創業72年のローカルチェーン『天神屋』。店内にはお弁当や、惣菜など手に取りたくなるような商品が並んでいますが、実は今、天神屋は様々な戦略を打ち出しているんです。
伊地アナ「あれ?幕内弁当に鯛めしって東海軒のお弁当?」
天神屋広報部長 北川美里さん「週末(不定期)の限定販売」
伊地アナ「どうして天神屋と東海軒のコラボ?」
北川さん「今年1月に東海軒がグループ会社に入った」
伊地アナ「お客からも天神屋でお弁当を売ってくれないの?という声があった」
北川さん「とても人気で事前予約もやっている」
伊地アナ「そんなに人気なんですか?」
コロナ禍をきっかけに経営不振に陥った「東海軒」。そこで声をかけたのが天神屋でした。今年1月、天神屋は『東海軒』を子会社化。静岡のローカルチェーンが130年あまり続く静岡の老舗を受け継ぎました。
天神屋といえば、これからの時期、ますます食べたくなる“静岡おでん”。私も大好きです。“黒はんぺん”は静岡ならでは。
伊地アナ
「ちょっといただきますね!出汁も染み込んでいて、柔らかくておいしい!」
この黒はんぺんにも、ある企業との戦略が‥
創業130年を越える由比の『さすぼし蒲鉾』。全国から注文が来る“練り製品”の製造メーカーですが、後継者の不在や経営の基盤を固めたいという代表の思いから、8年前、天神屋と同じグループ会社に入りました。
北川さん「実は、さすぼし蒲鉾の社長さんが取材を見にきた」
伊地アナ「こちらの方?」
古牧さん「見学に来ちゃいました!」
伊地アナ「天神屋の黒はんぺんをつくってらっしゃる?」
古牧さん「はい!」
5代目の古牧久弥さん。この出会いがきっかけで、天神屋のオリジナル黒はんぺんが誕生しました。滑らかな舌触りが特徴。駿河湾でとれたサバを使うなど、両社のこだわりが詰まっています。
さすぼし蒲鉾5代目 古牧久弥さん:「いいものを作ってグループ会社のプラスになるような製造メーカーでありたい。黒はんぺんを作っているスタッフも、それをモチベーションにしている。天神屋の黒はんぺんをうちが作っていることをみんな誇りにしている」
両社の思いが“天神屋の味”を生み出しているんです。そして、“天神屋の味”といえばこの商品も!
ということで、焼津にある天神屋の製造工場。ローカルチェーンの心臓部へ。
伊地アナ「すごい!大根がたくさん!静岡おでんのもの?」
北川さん「そうです」
静岡県内30店舗だけでなく卸先を含め、およそ70店舗分の弁当やお寿司を製造。おむすびは1日に3000個以上も作っています。
その中にありましたよ!天神屋の看板メニュー“たぬきむすび”。シンプルながらも絶妙な味わいの混ぜご飯は静岡のソウルフードの1つ。
伊地アナ「これがたぬきむすびの天かす?」
天神屋加熱仕込課長 山田百合香さん「そうですね、乾燥ネギも入れてます」
伊地アナ「ここでタレをかける?」
山田さん「はい」
伊地アナ「マスクをしていても一気にいい香りがただよってきました」
炊飯担当の山田さんが、ご飯と具材を混ぜていきます。お米は冷めてもおいしい品種を厳選。
伊地アナ「これは山田さんが炊いたお米ですね?」
山田さん「はい。今は夏から秋に切り替わるので、ちょっと加熱時間を長めの水分を多めにしている」
この“混ぜる”作業は創業当時から手作業。そうすることで具材を均一にまぜることができます。
山田さん「1個のおむすびでも、お客さんにとってはその1個がすごい重要なので、どこを食べてもおいしいように、白いところがないように満遍なくまぜている」
伊地アナ「めちゃくちゃいい匂い。お茶碗によそって食べたいくらい。たぬきむすびはいつごろできた?」
北川さん「創業当時のまかないから生まれたと言われている」
もともとは、ひな人形の専門店として始まった天神屋。まかないで食べていたおむすびやいなり寿司が好評だったことから、そのまかないを販売することになったんです。
天ぷらから出た“天かす”を使って作っていた“たぬきむすび”。その味を多くの人に知ってほしいという思いで、天神屋のみなさんは心をこめて作っているんです。
伊地アナ:「お客さんを思いながら混ぜている。お店でたぬきむすびを見ると、山田さんが温かい気持ちで混ぜてくれたんだなと思うと、おいしさも2倍3倍になりますね」
創業72年、静岡を代表する店の1つ「天神屋」が9月、コンビニエンスストアのファミリーマートとタッグを組んで新商品を発売しました。
1つ目は、『天神屋監修、大きなおむすび元祖たぬきむすび』。天神屋が生んだあの味をファミリーマートが再現しました。
2つ目は、たぬきむすびと同じご飯に、味噌チキンカツや焼きそばなどを組み合わせたお弁当。
そして、3つ目は天神屋の人気商品「ひとくちガブリチキン」の味わいを再現したおかずにもおつまみにもぴったりな唐揚げです。
ファミリーマートは今回なぜ? 天神屋とコラボレーションをしたのでしょうか?
伊地アナ「ファミリーマートから天神屋に声をかけた? それで実現した?」
ファミリーマート広報部 花塚彩華さん「こちらはどちらからというよりかは、『お互いがやりましょう』ということで、手を取り合って実現した企画」
伊地アナ「今回は初めてではないそうですね?」
花塚さん「今回は3回目」
伊地アナ「過去2回とても評判が良かった?」
花塚さん「ご好評いただきました」
地域に根ざしたコンビニを目指しているというファミリーマート。
地元ではお馴染みの味を、県外には新しい味を。天神屋とのコラボ商品は愛知や岐阜など東海エリアを中心に2850店で販売されています。
気になるのはやっぱり味。といことで今回は3人で…。
伊地アナ:「いつも食べ慣れてきた“たぬきむすび”がお弁当のご飯になる。おいしいですね〜!ネギの風味が‥」
前回のコラボよりも1.4倍大きくなってパワーアップした“たぬきむすび”。
伊地アナ「不思議なもので、同じたぬきむずびですけど、天神屋のたぬきむすびと、ファミリーマートのたぬきむすび、大きさだけでなくちょっと違う感じがします。その違いが面白い。両方食べたくなりますよね。味を再現するのに難しい部分があったんじゃないですか?」
花塚さん「中々難しい部分もあったけど、弊社の商品部と天神屋様の力で実現できた。」
天神屋の手作り感を再現するため、試作は10回以上行いました。具材を混ぜ込んだご飯を、もう一度“ざっくり”と2度混ぜすることで手作り感を表現したそうです。
今回のコラボをきっかけに、天神屋も9月、たぬきむすびの新商品を販売。その中には、練り梅やカリカリ梅が入った『梅たぬき』という新しい味も。誕生から72年、たぬきむすびは進化を続けています。
伊地アナ「ファミリーマートから見た今回のコラボ、社内の反響は?」
花塚さん「ファミリーマートも今年9月で45周年を迎えたところで、天神屋様は大先輩。地元のメニューだったり食材を使って、ファミリーマートにその商品を並べることによって、身近なコンビニから静岡の良さを発信したい」