磐田市敷地川復旧住民説明会 応急工事の説明をする静岡県に対し住民側は本格復旧工事の着手を求め紛糾
2日の記録的な大雨で堤防が決壊・氾濫した静岡県磐田市の敷地川の災害復旧について、16日静岡県が説明会を開きました。周辺住民からは怒りや不安の声が相次ぎました。
「もう何言ってもダメですね、いいです」
「とにかくちょっと早くやってもらわないと工事を、本格工事を」
2日、記録的な大雨によって決壊・氾濫した、磐田市の敷地川。
周辺の27軒が浸水被害を受けました。
敷地川では、去年9月の台風15号でも同じ場所が決壊し、本格復旧工事が始まる矢先のことでした。
静岡県の応急工事の説明
説明会 磐田市16日
「水流が強い部分が決壊したあたりのところに向かってきているというのがわかります」
県の袋井土木事務所からは、自治会長らに対して大型土のうの設置や川岸に積み重なった土砂の掘削などは既に終えたこと。
仮の堤防が決壊しないよう、今後鋼鉄の板を設置して補強する応急復旧工事について説明がありました。
一方、去年の台風15号の被災後に計画していた川の幅を拡大し、堤防も厚くする本格復旧工事については予定通り10月中旬ごろ着手し、決壊した右岸側は来年、左岸側は再来年の出水期前の完了を予定しているとしました。
工事が完了すれば、台風15号の最大流量でも水が溢れないといいます。
担当者の説明が終わり、質疑応答になると会場の空気が一変。
住民からは怒りや不安の声が相次ぎました。
本格復旧工事を求める住民が反発
自治会の代表:
「こういう説明はいいんですけども、何をやってたかっていうのを教えてもらえますか。2日の朝から。」
袋井土木事務所 所長:
「私ども監視カメラを見てまして、土のうの方が沈下していく、そういった状況を見まして、小型の土のうですけれども、それを急いで設置してくれということを(業者に)依頼して、一部作業には入っていたところであります」
自治会の代表:
「朝7時半から、区長に言って『土木さんの方にちゃんとやってください』っていうことは言ったんですよ。それが伝わってないっていうことですか」
「もう僕らあと(堤防が)切れるのを待つだけじゃないですか。どうすりゃいいんですか、僕らは。こんな原因ばっか言ってたってもう対策は何にもしてくれなかったんですから」
自治会の代表:
「去年の災害のときに、大型の土のうを積んでいただきました。今回の大雨で流されてます。同じように大型土のうを積んでます。これ大丈夫かなと思っていますけどね」
「次の補強ということで、川のところに重たい石の袋を置いて対応していきたいと考えている」
「それでいいと言うわけじゃないんですよね?流されるかもしれないじゃんね?」
「まずは応急的に早く対応できるもので施工して、雨が降らない時期になって復旧の方をしていく」
台風シーズンは始まったばかり。応急復旧工事だけで大丈夫なのか?
本格復旧工事を早くやってほしいと住民から要望が相次ぎました。
所長:
「川の工事というものは、やはり出水時期はやることができないものですから、どうしても時期的には夏の終わりからっていうふうになってしまうのが川の工事の特徴」
市長も知事に対し根本的な解決を求める
6日に敷地川を視察した川勝知事。
磐田市は、早期復旧と被災者支援を要求したほか、草地市長は川勝知事に対して、根本的な解決を求めました。
磐田市・草地博昭市長:
「結果的に仮堤防は決壊したので、適切だったかと言われれば適切ではなかったと感じている。 まずは今回どういう形で決壊したのか、水はどのくらいだったのか分析をしなくてはいけないと思っているので、まずはそこからはじめてほしいと要望した」
川勝知事:
「災害で命をなくすことがないようにと常に念願していながら、このようなことになっていることを、本当に心苦しく思っている。できる限りの支援をしていきたいと思っていて、きょうは要望をしっかり受け止めて、これを実践にうつしていきたい」
今夜は浸水被害などに遭った被災者を対象に、磐田市内で説明会が行われる予定です。