津波は高さだけでなく「早さ」も怖い 長引くライフラインの復旧 静岡大学・岩田孝仁特任教授「7日分の備蓄は最低限」【南海トラフ地震 静岡】

伊地健治アナウンサー:「M8から9の南海トラフ巨大地震が30年以内に発生する確率は70から80%ともいわれています。被害は静岡県から中国、四国、九州まで及んでいるので、すぐに助けは来ないと考えられます。

国の想定だと死者は32万人、うち静岡県は最大10万5000人。ただ、多くは津波による被害、県は防潮堤の整備などを進めていて、津波から逃れられれば死者は2万2000人に減ると試算しています」

静岡大学 岩田孝仁特任教授:「これだけ減るというのは、逆に言うと皆さん一斉に避難するかしないかにかかってくる。防潮施設ができても、逃げるかどうかは人間の判断」

静岡県の津波想定は…「問題は津波の早さ」

伊地アナ:「津波の想定は、どこを見てもほぼ10m以上、南伊豆町は26m、下田市は33m」

岩田教授:「かなり大きい津波であることは事実です。ただ、もう一つの問題は津波の早さ、到達時間が数分のところが多い。避難に余裕がない、いち早く逃げることがどれだけ重要かということ」

ライフラインの復旧は

伊地アナ:「地震から生き延びても、災害関連死しないように、ライフラインは、上水道は県内ほぼ全域で断水、復旧に5~6週間。電力は9割程度停電、4日後も1割程度継続し、復旧には1週間。携帯電話は県内全域で非常につながりにくくなり、復旧には2週間程度かかる。避難者は116万から131万人程度と見込まれています」

橋本ありすアナウンサー:「ライフラインは自分で何とかすることができないので、その間何を備えていれば無事に生きて行けるのかを考えた方がいい」

伊地アナ:「食料品は7日分、ほかにも備えた方がいいものがこちらの表です。岩田さん、7日分というのはどうなのでしょうか」

岩田教授:「最低でも7日備蓄しておくのは、これは常識にしておいてください。そのうえでさらに必要なものが、家族構成などでいろいろありますよね、高齢者がいたり、乳児抱えたり、障害抱えたり、そうしたところにちゃんと手が届くようにしてください」

静岡大学防災総合センター 岩田孝仁特任教授 元静岡県危機管理監、36年間、自然災害対策などに取り組む