断水の復旧の見通しは… 興津川の取水口の土砂など撤去完了 静岡・清水区

静岡市清水区の大規模な断水の原因となっている興津川の取水口に詰まった土砂などは、全て撤去されました。

6万3000軒で断水が続く清水区

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断水の復旧の見通しは… 興津川の取水口の土砂など撤去完了 静岡・清水区

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住民(清水区庵原町):「お水がきょうから出るっていうけど、まだ出ない。外やトイレに使う水はいいかなと思っていたけど、出ないんですよね」

Q:不安な気持ちが続きますか?

住民:「まいっちゃいます」

 大規模な断水が続く静岡市清水区。区内のおよそ8割、6万3000軒で断水が続いています。

美容院店主(清水区興津中町):「このくらい、通常で使えるくらいは出るようになったので」

 静岡市は27日から清水区の一部エリアおよそ3万1000軒を対象に、水道管に水を通す「充水作業」を順次進めています。水が出るようにはなりましたが、まだ飲み水としての使用はできません。
 こちらの住宅があるのは静岡市が28日「充水作業」を始めるとしていた庵原地区の北側にある地域。朝の段階では、まだ水が届いていない様子でした。
 いまある水はバケツにためて生活用水として使用。お風呂は我慢し、お皿にはラップを巻いて洗い物を減らすように努めているといいます。水が使えない不便な生活もきょうで5日目になります。

住民:「重たい。結構重たいよ。4リットルずつ入るから一本に。(トイレの)タンクが10リットルのタンクだから8リットルくらい入れないと水が流れない。トイレの水が早くなおってほしいですよね…」

水を届けるボランティア

被災した人の中には給水所まで水をもらいに行くことも難しいという人もいます。そうした人たちを支援する動きが…。

画像: 水を届けるボランティア

 水を無料で届けるボランティア活動を行う地域団体の「静岡2.0(ニー・テン・ゼロ)」。東日本大震災をきっかけに発足した団体です。

静岡2.0 
大原みちの 副代表:「長く給水所に並べないとか、毎日行くのが大変とか、飲料水が尽きそうという方で、なかなか家から出にくい方々を中心に私たちは水を届けている」

 この日最初に水を届けたのは清水区の「山の上病院」。今も断水が続いていて、患者や職員の飲料水にするということです。

山の上病院 
園田一晴 課長:「うちの病院は透析をやっているので、かなりきれいな飲料水を大量に使うので、かなり苦労していてこういったいただけるものが患者の水分補給に役立つのでありがたいです」

 “宅配ボランティア”としての活動をスタートしたきのうは13世帯に水を届けました。大原さんが次に向かったのは…。

 清水区でひとり暮らしをしている71歳の植田昇二さん。足が不自由のため給水所に行くことができず、これまでは地域の人や親戚に水を持って来てもらっていたそうです。

植田昇二さん(71):「(家を)出る機会が少なくなり、足も少しずつ知らず知らずに弱っていく。足腰が丈夫だったらいいが、なかなかそこまでは」

静岡2.0 
大原みちの 副代表:「なかなか出にくいですね」

 断水が続く植田さんの自宅。民生委員からの紹介を受けて、“水の宅配ボランティア”を依頼したといいます。この日は水に加えて、食料やアルコール消毒液も受け取りました。

植田昇二さん:「普段水を使っているとありがたさはわからないが、こういうふうになると、本当に水のありがたさを痛感する/大原さんが来てくれてありがたいと思っている」

 大原さんは困っている人に積極的にボランティアを活用してほしいと話します。

大原みちの 副代表:「私たち以外の団体も結構水の宅配で動き始めているので、ぜひこういう時は我慢せずに頼ってもらえたらなと思っている」

断水解消の見通しは…

高橋諒記者:「静岡市清水区の断水から今日で5日目です。こちらには断水の原因となった取水口があるんですか、自衛隊によって土砂や流木などが取り除かれ、そして作業員が折れ曲がった柵の修正作業にあたっています」

 静岡市清水区の興津川に設置された取水口。3日前、25日の様子と比べると引っかかってしまった流木などがだいぶ片付けられたことがわかります。この復旧作業、27日の夜から一気に進みました。

自衛隊(27日午後11時):「安全確保をしてからやるからな。川に捨てるときは明るくなってから最終的に落とすから、河岸ギリギリまで行かなくていいから」

画像: 断水解消の見通しは…

 27日夜から土砂やがれきの撤去作業を始めたのが自衛隊です。およそ30人が取水口の復旧に当たりました。取水口の内部には、大量の土砂や流木が。バケツなどを使って手作業で取り除いていきます。

自衛隊:「流木と混ざっちゃうとあれだから、あとで戻すかもしれないから、ちょっとこっちに行こう。下がって、下がって。ここに置こう」

 作業は日付が変わっても続けられ、取水口に溜まった土砂や流木は午前1時ごろにほぼ撤去されました。

静岡市上下水道局
川越勝浩 清水水道施設担当課長:「今回は大雨だったものですから流木というよりも木の根っこまで入っているような状態でなかなか昼間の作業で出なかった部分を自衛隊にやっていただいています。これで予定通り、取水を進めていく作業ができると思います」

 静岡市は28日朝から徐々に取水を再開。水質検査に問題がなければ、巴川ブロックと興津ブロックの3万軒余りでは29日にも飲用水としての水の供給が再開されるということです。市は29日から10月2日にかけて段階的に断水を解消していきたいとしています。