静岡県沖などの海底津波計にも障害広がる 沖合で観測できず津波の観測が最大7分遅れる恐れ 気象庁

 13日から発生している静岡県などの沖合にある海底地震観測システムの障害がさらに悪化し、海底地震計に加え海底津波計のデータも使用できなくなっています。このため、付近で津波が発生した場合、海底津波計によって補正されていないより高い津波が陸地に到達するまで、観測されない恐れがあります。

 気象庁によりますと、障害が起きているのは静岡県から三重県にかけての沖合およそ100キロにある「東南海ケーブル式常時海底観測システム」です。13日から起きていた5つの海底地震計のデータに時刻などを紐づけるシステムの障害が、15日には付近にある海底津波計の津波観測データにも広がり、沖合の津波観測データを発表できなくなっているということです。

 地震で起きる津波は、沖合の海底津波計などで高さが補正されることもあり、今回障害が起きている付近で津波が発生した場合、海底津波計によって補正されていないより高い津波が、実際に陸地に到達するまで観測されない恐れがあります。

 また、沖合の海底津波計が利用できる場合と比べ、陸地だけの津波観測だと、津波の観測が最大で約7分遅れる可能性があるということです。緊急地震速報についても、最大で12秒程度遅れる恐れがあります。

 気象庁は15日に現地に職員を派遣し、原因とみられる時計装置を再起動するなどしましたが復旧せず、現在は装置の製造メーカーと復旧を急いでいて、来週前半には機材の交換ができる見込みだとしています。

障害を起こしているとみられる装置 提供:気象庁
障害を起こしているとみられる装置 提供:気象庁