年間60万円給付…障害者のための奨学金制度を創設 障害持つ男性の遺族からの4000万円の寄付を元に 静岡
静岡市の認定NPO法人が、県内に住む人からの寄付金を元に、県内で初めて障害者のための給付型奨学金制度を創設しました。
障害者を対象とした返済不要な給付型奨学金制度を創設したのは、静岡市障害者協会です。協会によりますと、70代で亡くなった浜松市出身の男性の親族が「障害のある人の奨学金として使って欲しい」と申し出たことから、今年4月に4000万円の寄付を受けました。
男性は、小学生のころ、盲腸の手術を受けた後、下半身麻痺となり、車いすで生活。その後、車いすバスケットボールの国体で優勝するなどの成績を残しました。
「しずおかTIPーOFF奨学金」と名付けられた給付型奨学金は、15日から募集が始まり、障害者手帳を持ち、来年4月に大学や専門学校に入学するか在学している県内に住む人が対象です。学生には、年間60万円が給付され、在学中は支給が続けられるということです。
企画運営委員で元特別支援学校教師の前田洋子さんは、「障害を持った若者にとって、大学に行くというのは、選択肢にすらないという現実を特別支援学校で感じた。課題は山積みだが、大学に行くのは当たり前だと考えるきっかけになれば」と話しました。